平成に入ると青島俊作(織田裕二)と室井慎次(柳葉敏郎)の『踊る大捜査線』(1997年・フジテレビ系)のような“キャリア組の上司と現場の刑事”というコンビ間格差を描くドラマや『相棒』(2000年~・テレビ朝日系)のように杉下右京(水谷豊)が亀山薫(寺脇康文)、神戸尊(及川光博)、甲斐亨(成宮寛貴)、冠城亘(反町隆史)と“相棒”を替えていくロングヒットも生まれた。
「初めは室井に不信感を抱いていた青島が『室井さんみたいな人がいるなら俺は安心して下にいます』と信頼を寄せ、室井も『責任を取る。それが私の仕事だ』と立場の違う2人が段々と信じ合っていく。絆の強さを感じさせる名コンビでした。
『相棒』では歴代の右京さんの相棒のなかでも肉体派で熱血漢の亀山君が、インパクトが強かった。普段は冷静な右京さんが亀山君の行き過ぎた行動に『やめなさい!』と感情的になる場面も多かった。歴代の『相棒』の中でも人間味が溢れていたコンビだと思います」(同前)
その後、増えてきたのは“男女コンビ”。柴田純(中谷美紀)と真山徹(渡部篤郎)の東大卒のキャリア女性と元公安の刑事の組み合わせで大ヒットした『ケイゾク』(1999年・TBS系)や山田奈緒子(仲間由紀恵)と上田次郎(阿部寛)の自称マジシャンと自称天才科学者が組み合わせの『トリック』(2000年・テレビ朝日系)が人気を呼んだ。
現在大ヒット中の『天国と地獄~サイコな2人~』(TBS系)も女刑事・望月彩子(綾瀬はるか)とサイコパスな殺人鬼・日高陽斗(高橋一生)の魂が入れ代わるという設定で男女バディの流れが受け継がれている。
令和にも昭和の名作に負けない“バディ”が登場するか。
※週刊ポスト2021年2月19日号