8度のうち、シーズン最下位は5度。Aクラス入りは2度あった。
4月終了時点に最下位で、チーム防御率もリーグ最低だった年は、シーズンでも最下位に終わっている。2008年は内川聖一が3~4月で4割2分2厘と打ちまくり、相川亮二が3割7分1厘、金城龍彦が3割2分4厘をマークしたこともあり、チーム打率は1位だったが、得点にはあまり結び付かず、投手陣の崩壊もあり、勝率2割8分と過去15年でワースト2位タイだった。
中畑監督1年目の2012年は、広島・前田健太にノーヒットノーランを食らうなど4月中に4試合連続完封負けも喫している。飛ばない統一球の影響もあってか、月間チーム打率1割9分2厘と打てず、得点46とともにリーグ最下位。先発陣も前年5勝の高崎健太郎が開幕投手を務め、2戦目から6戦目までの先発は三浦大輔を除けば、いずれも前年3勝以下の投手。失点、防御率ともに月間リーグ最下位だった。今年のDeNAは、その2012年よりも勝率が低い。
それでは、5月以降、盛り返した年は何が違ったのだろうか。2016年、就任1年目のラミレス監督もスタートは悪かった。新外国人のロマックが打てず、ロペスも絶不調。梶谷隆幸をケガで欠いたこともあり、4月は得点、打率ともにリーグ最下位だった。しかし、投手陣ではルーキーの今永昇太が勝ち星こそ付かなかったが、5試合中4試合でクオリティスタートを達成し、井納翔一は防御率1.47で3勝を挙げた。チーム防御率2位、失点の少なさでも2位と、5月反抗の準備は整っていたように見える。
ラミレス監督は4月限りで打率1割4厘のロマックに見切りをつけた。日本での実績があるロペスは信じて使い続け、5月に復調。梶谷の戦列復帰もあり、1か月で借金を完済した。ラミレス監督は白崎浩之を「1番・サード」で開幕スタメンに抜擢して重点的に使っていたが、5月終了時点で2割2厘、2本塁打、3打点と結果を残せなかった。そこで6月からは新外国人のエリアンをサードで起用。やがて、ホットコーナーは宮﨑敏郎に落ち着いた。
ラミレス監督は期待を掛ける選手に対し、一定期間チャンスを与えて、結果が出なければポジションを剥奪した。指揮官自ら動いて、状況を打破していったのだ。その我慢と見切りのタイミングが絶妙だったと言えるかもしれない。