終活を進めるにあたって、気が変わったのだろうか。養子縁組をした翌年の2017年には、関連団体を宗教法人にし、事務所が購入していた土地を、新設した宗教法人に“寄付”している。一般的に、会社法人が持つ不動産は課税対象だ。しかし、宗教法人の場合は所有する財産が課税対象にならないことがある。さらに、宗教法人が寄付を受けても贈与税は発生しない。税制上のメリットが受けられるのだ。
「ただし、贈与する側とされる側の実態がほぼ同じ場合は例外です。細木さんのしていることは脱税ではないかと指摘されたことがありました」(前出・テレビ局関係者)
それを知ってか、細木さんはこの宗教法人と自分自身とには深いかかわりがないと疑惑を否定してきた。その宗教法人の代表からは、細木さんのお別れの会に、あえて個人名義で大きな花が贈られていたが──。ほかにも、細木さんが取得してきた不動産のほとんどは、細木さんの事務所名義で所有している。その事務所の代表はかおりさんの夫が務めているし、細木さんは2018年に取締役から退いて経営から手を引いていた。
「しかし、少なくとも細木さんが取締役を辞任するまでは、細木さんが事務所の大半の株を所有していました」(前出・細木さんの知人)。
この事実は、終活に当たってどのような意味を持つのか。夢相続代表で相続実務士の曽根恵子さんが語る。
「会社の株を細木さんが持っていた場合、その会社の資産を個人の財産と同じように評価して、一株いくら、と計算し相続税を払う必要があります。仮に株を手放していても、贈与であれば分散して贈与をしていない限りは贈与税か法人税を支払わなければなりません。税逃れの抜け道はないのです」
それに加えて、
「養子縁組は実子と同じ立場なので、細木さん個人の資産は、配偶者がいない細木さんの場合は、100%養子に相続されますね」
だとすれば、細木さんの終活は、単なる相続対策ではなく、母親として娘に何を残すかを考える、純粋な家族の時間だったのかもしれない。
※女性セブン2021年12月2日号