最後まで乗馬を楽しんだエリザベス女王。2022年。Getty Image)

最後まで乗馬を楽しんだエリザベス女王。2022年。Getty Image)

25才で即位後、さまざまな苦難に直面し、乗り越えてきたことでエリザベス女王は至高の存在になった。精神科医の渡邊宏行さんが言う。

「本来なら身内の問題はメンタルヘルスに悪い影響を与え、うつや不安障害になる可能性が充分あります。しかし女王は身内にさまざまな醜聞を抱えながら、自分の気持ちをコントロールできた。彼女は個人としての顔と公人としての顔を上手に切り替えることで、ストレスを軽減してきました」(渡邊さん)

「君臨すれども統治せず」を掲げ、決してお飾りではなく、今際の際まで公務と向き合ったエリザベス女王は「真の女王」であり、妻であり、母であり、国民の希望であり続けた。

女王が生涯貫いた前向きな姿勢には、国を超えて時代を超えて学ぶことが多い。70年にわたってイギリス国家の君主に在位したのは、エリザベス女王をおいてほかにはおらず、“特別な存在”だった。

年を重ねるにつれ体には不調が表れ、それに拍車をかけるように、息が詰まるような問題ばかりに直面した。それでも、エリザベス女王の人生のラストステージに悲愴感は一切漂わず、「理想的な死」を迎えることができた。

要因は、決して節制した生活を続けてきたことのみにとどまらない。襲いかかるプレッシャーやストレスに対して、時に笑い飛ばし、時に目を背ける?だからこそエリザベス女王は、微笑みをたたえながら最期を迎えられた。その生きる術は、“特別な存在”ではない私たちにとって、遠い異国のものではない。

※女性セブン2022年10月13日号

結婚式では「自分だけ特別扱いは許されない」と配給券で入手した絹やレースで作られたドレスに身を包んだ(写真/GettyImage)

結婚式では「自分だけ特別扱いは許されない」と配給券で入手した絹やレースで作られたドレスに身を包んだ(写真/GettyImage)

ジョンソン前英首相、キャリー夫人(GettyImages)

ジョンソン前英首相、キャリー夫人(写真/Getty Images)

(写真/GettyImages)

笑顔の女王(写真/Getty Images)

ダイアナ元妃(写真/Gettty Images)

ダイアナ元妃(写真/Getty Images)

亡くなる2日前に行われたトラス新首相の任命式(写真/GettyImages)

亡くなる2日前に行われたトラス新首相の任命式(写真/Getty Images)

関連記事

トピックス

まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン