スポーツ

大相撲「1横綱1大関」の番付崩壊で2023年「相撲協会公式カレンダー」がグチャグチャ、実態と乖離

9月場所を途中休場し、11月場所は全休となった横綱・照ノ富士(時事通信フォト)

9月場所を途中休場し、11月場所は全休となった横綱・照ノ富士(時事通信フォト)

 1月8日に初日を迎える大相撲初場所の番付が発表された。125年ぶりに横綱・大関が1人ずつとなったうえに、61年ぶりとなる関脇・小結が4人ずつという珍しい番付になった。こんな事態が発生したのは、横綱・大関陣の成績が振るわない波乱の場所が続いているからだ。2022年は6場所すべての優勝力士が違う1年となり、7月場所から3場所続けて平幕力士が優勝。横綱に昇進する力士がいないばかりか、大関からの陥落が続いた。その結果、思わぬところに“計算違い”が生じている。日本相撲協会の「公式カレンダー」である。

 先場所は前頭9枚目だった阿炎が巴戦の末に優勝を果たした。ただ、12勝3敗で巴戦に進んで敗れた大関・貴景勝については「1月場所で優勝すれば横綱昇進の可能性がある」(協会関係者)との声があるし、1人大関の異常事態を解消するために大関への昇進基準とされる直前3場所の合計33勝のハードルも下がるケースがありそうだ。

 とりわけ2022年の秋以降は、横綱が休場し、大関陣も場所中に黒星が先行するような状況が続き、「番付崩壊」の状態に陥ってしまった。その結果として思わぬかたちで影響が出ているのが、相撲協会の公式カレンダーだという。ある若手親方は「カレンダーの中身と、土俵上での実態が、だいぶちぐはぐなものになってしまった」と苦笑する。

 相撲協会の公式カレンダーは1月から12月まで各月に力士の写真が掲載され、番付発表日、場所の開催日程、前売りチケットの発売日などが書き込まれている。毎年福岡で開催される11月場所の会場の売店に翌年のカレンダーが登場する。

 2023年のカレンダーは、1月は八角理事長(元横綱・北勝海)による土俵上での協会挨拶の写真で始まり、2月はひとり横綱の照ノ富士の土俵入りの写真だ。

「照ノ富士は両変形性膝関節症で9月場所を途中休場し、内視鏡手術をしたことで11月場所は全休。復帰の目途は立っていません。ひとり横綱だけに、2023年カレンダーの9月のページにも照ノ富士が登場しているのですが、正直、その頃には引退している可能性のほうが高いのではないか……」(前出・若手親方)

 カレンダーの3月のページは貴景勝、正代、御嶽海の“大関3人衆”が並んでいる。しかし、このなかで大関として新年を迎えられたのは貴景勝だけ。御嶽海は9月場所で大関を陥落し、11月場所での大関返り咲きを目指したがさらに負け越して平幕に落ちた。正代も5度目のカド番で迎えた11月場所で負け越して関脇に陥落。「正代は1月場所で10勝以上を挙げれば、カレンダーで登場する3月になんとか大関復帰できるが、先場所の相撲を見る限り簡単ではない」(同前)とみられている。

 4月のカレンダーは若隆景、豊昇龍、大栄翔、阿炎、逸ノ城、霧馬山という2022年9月場所での関脇・小結が並んでいるが、4関脇・4小結となった今度の1月場所でも三役に残っているのは若隆景、豊昇龍、霧馬山の3人だけ。大栄翔、阿炎は平幕上位にいるが、おかみさんへの暴力疑惑が浮上した逸ノ城はコロナガイドライン違反で1場所の出場停止となり、来る1月場所は休場。その次の3月場所では十両に転落していることになる。

 カレンダーでは5月、6月、7月、8月は幕内力士が8人ずつ番付順に並んでいるが、姿が写っているなかでは千代大龍と豊山がすでに引退しており、先の11月場所で全敗の照強は十両に転落している。

「カレンダーは基本的に前年の9月場所の番付を基準に構成されるので、カレンダーのページをめくって登場する頃には力士が番付を落としたり引退したりしているということは起こり得るが、新年を迎える段階でここまでグチャグチャになることは珍しい」(前出・協会関係者)

 2023年10月のカレンダーに貴景勝、正代、御嶽海といった2022年9月場所での三役9人が再登場するが、その頃にはこの中から新しく横綱や大関が誕生しているのだろうか。

関連記事

トピックス

本格的に中国進出をめざすならば…(時事通信フォト)
《年内結婚報道》橋本環奈と中川大志の「結婚生活」に立ちはだかる“1万kmの距離” 2人の異なる“海外進出の希望先”
週刊ポスト
「池田温泉旅館 たち川」の部屋風呂に「温泉偽装疑惑」。左はHPより(現在は削除済み)、右は従業員提供
「水道水にカップ5杯の重曹を入れてグルグル…」岐阜県・池田温泉「高級旅館」の部屋風呂に“温泉偽装”疑惑 ヌルヌルと評判のお湯の真実は…“夜逃げ”オーナーは直撃に「誰からのリークなの? それ」
NEWSポストセブン
これまでジャズ歌手などとしても活動してきた参政党・さや氏(写真/共同通信社)
参政党・さや氏、歌手時代のトラブル証言 ジャズバーのママが「カチンときて縁を切っちゃいました」、さや氏は「そうした事実はない」…真っ向食い違う言い分
週刊ポスト
もうすぐ双子のママになる。Numero.jpより。
Photos:Mika Ninagawa
中川翔子3年にわたる不妊治療と2度の流産を経験 。 双子の男の子のママになる妊婦姿を披露して話題に
NEWSポストセブン
錦織圭とユニクロの関係はどうなるか(写真/共同通信社)
「ご本人からの誠意ある謝罪があった」“ユニクロ不倫”錦織圭、ファーストリテイリング広報担当が明かしたスポンサー契約継続の理由
週刊ポスト
趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン
岐阜の「池田温泉旅館 たち川」が突然の閉鎖、事業者が夜逃げした(左は旅館のInstagramより)
【スクープ】岐阜県の名所・池田温泉の人気旅館が突然の閉鎖 町が運営委託した事業者が“夜逃げ”していた! 町長からは228万円の督促状、従業員が告発する「オーナーの計画」 給料も未払いに
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏は2017年にダブル不倫が報じられた(時事通信フォト)
参院選落選・山尾志桜里氏が明かした“国民民主党への本音”と“国政復帰への強い意欲”「組織としての統治不全は相当深刻だが…」「1人で判断せず、決断していきたい」
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
止まらない「オンカジドミノ退社」フジテレビ社内で話題を呼ぶ
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《まさかの“続投”表明》田久保眞紀市長の実母が語った娘の“正義感”「中国人のペンションに単身乗り込んでいって…」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン