女優、モデルとして活躍

女優、モデルとして活躍

カリスマ監督からも才能が絶賛される

 前述の『初恋の悪魔』の筆頭演出者で、日本テレビが誇るカリスマ監督、水田伸生氏に現場での佐久間について聞いてみたところ、「真っすぐに物事を考える、大変向上心のある女優で、とにかく真面目」という答えが返ってきた。さらに、休日、多くの舞台や映画をハシゴすることでも知られる水田氏は、佐久間が主演した2021年公開の映画『君は永遠にそいつらより若い』(監督・脚本 吉野竜平氏)を見て、「才能を確信した」とも言う。

 そして佐久間には、もう一つの顔がある。スカウトで芸能界入りして最初に就いた『ViVi』をきっかけにしたモデル業だ。1990年代、2000年代には、『JJ』『CanCam』そして『ViVi』の、いわゆる“赤文字系雑誌”のモデルから人気女優へと巣立った者が大勢いて、その筆頭は米倉涼子である。

 当時のモデルたちの多くは「女優」の肩書を欲しがり、1本であっても脇役であっても映画やドラマに出演した途端、「女優・モデル」と、女優を先に名乗ったものだ。芸能界ではモデルより女優のほうが格上だと思われていた頃のことだが、近年は事情が変わっている。

 女優であってもモデルの仕事が重要視され、特に、セレブ系のファッション誌でハイブランドからの指名を受けて、表紙を飾ったり、グラビアに何ページも登場したりすることや、ファッションショー出演のキャリアが「ランウェイ」としてプロフィルに記される。

 中条あやみ、新木優子、そして、いまやトップ女優の仲間入りを果たした川口春奈も、こうした出方をいまでも大切にしているのだ。ファッショナブルであること、ハイブランドの服を美しく着こなせること、同時に海外のファッションショーの最前列に招待されることなどは、イマドキの女性ファンを獲得する大切なポイントだからだろう。

 172cmと長身であり、小顔で、女性が憧れる“ぽってり”した唇が特徴的で目ヂカラもある佐久間は、実は、この部類の女優の一人でもある。

 加えて、個性派で実力派、俳優仲間から愛され、ファッショナブルでもある綾野剛と結婚したことで知名度をさらにアップさせ、絶妙なタイミングで2023年前期の朝ドラ『らんまん』の出演が待っている。賀来賢人と榮倉奈々、柄本佑と安藤サクラのように、尖ったファッション誌が夫婦揃ってのグラビアのオファーをしているに違いない。

 ツウ好みな女優からメジャーな女優へ。公私にわたって、佐久間由衣に文字通り、“春らんまん”が訪れたようだ。

◆山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!』(メ~テレ)、『アップ!』(同)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。

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