当時のオーストラリア大統領夫妻と懇親(2002年12月。オーストラリア。時事通信フォト)
19日夕方以降の日程は不透明
インドネシアへのご出発前の15日には陛下が単独で会見に応じられる予定だ。平成の時代、上皇ご夫妻がかなりご高齢になられてからは、ご体調に配慮して会見ではなく文書へシフトしたが、それ以前は、おふたり揃って会見に臨まれるのが常だった。そこで語られるのは、訪問先への期待や個人的な思い出など多岐にわたる。
「訪問前の会見は、国内向けであるとともに、訪問国へ向けた“広報”の意味合いもあります。その会見の内容をもとに、訪問国のメディアが国賓として招いた両陛下を紹介し、それが現地の歓迎ムードにもつながるのです。特に今回は、即位後初の、国際親善のための訪問先ですから、雅子さまも、せめて文書だけでも公表されたらどうかと思うのですが……」(前出・宮内庁関係者)
両陛下は17日、インドネシア・ジャカルタに向けて羽田空港をご出発。翌18日には高速鉄道の車両基地や排水機場の視察、19日には大統領の官邸のひとつであるボゴール宮殿でジョコ大統領夫妻と会見し、大統領主催の午餐会に出席される予定だ。
「国賓としての公式訪問では、歓迎式典・元首との会見・晩餐会がセットとなっているケースが多い。インドネシアにおいては、1991年に上皇ご夫妻が訪問されたときは、晩餐会に出席されました。ただ、今回は晩餐ではなく『午餐』です。晩餐では夜充分に休めず体に負担がかかるので、インドネシア側が雅子さまのご体調に配慮したのかもしれません」(前出・宮内庁関係者)
19日夜には、天皇として初めて残留日本兵の子孫らと面会。20日にはインドネシアの独立に貢献した軍人らが埋葬されているカリバタ英雄墓地で供花され、日本語を勉強する学生が多い現地の大学や、日系企業に人材を輩出している職業専門高校を訪問される予定だという。
しかし到着から4日後、21日からは、雅子さまと陛下は別行動の予定だ。陛下は、古都ジョクジャカルタへ移動してクラトン宮殿で夕食会の後に現地でご一泊。22日にボロブドゥール遺跡を視察してからジャカルタに戻られ、そこで雅子さまと合流し、翌23日に帰国される。
「21~22日、陛下が単独行動をされている間、雅子さまはジャカルタのホテルに休養のためステイされる見込みです」(前出・宮内庁関係者)
両陛下が滞在されるホテルは、ジャカルタでトップクラスの5つ星高級ホテルだ。都心部に位置し、高層階からは街並みを一望できる。広々としたプールやスパなどが設備された優雅な雰囲気だ。
「雅子さまは基本的にはホテルの敷地外には出られないでしょう。2日間、敷地内でご体調を整えられるのだと思います」(前出・宮内庁関係者)