行き場を失った職員の“収容先”
さらに浮上したのが、先述した「赤坂御用地東地区周辺整備工事」だった。
「工事では、5つの建物が新築されます。建設業者は4月に決定済みで、工期は1年ほどの予定です」(前出・皇室ジャーナリスト)
宮内庁によると、事務棟、倉庫棟、2つの車庫棟、ゴミ集積所の5棟だ。すべての建物は、「皇嗣職」つまり秋篠宮家担当の職員が使用するものだという。宮内庁管理部の入札・契約調書を確認すると、同工事は都内の業者とこの4月に請負契約が結ばれた。その入札金額は、なんと約4億7400万円にものぼる。車庫や倉庫、ゴミ集積所の建設にはそれほど費用がかかるはずがなく、どう高く見積もっても数千万円だろう。ビルのような事務棟が建てられるのだろうか。
「当初、分室は秋篠宮家の仮住まいとしての役割を終えた後は、職員の事務棟と収蔵庫として使われる予定になっていました。佳子さまの独居のための私室スペースが残ったことで、職員の事務スペースが圧迫され、外部に必要になったと考えるのが自然でしょう。佳子さまのひとり暮らしによって、もともと分室に入るはずが行き場を失った職員の“収容先”と思えてなりません」(前出・皇室記者)
周到なのは、この「周辺整備工事」が、先に挙げた発注予定工事の一覧や入札・契約調書の記述からは「秋篠宮家にまつわる工事」であることが伏せられていることだ。
「秋篠宮邸の大改修と分室の建設に合わせて40億円以上の費用がかかったことで、秋篠宮家には疑問の声が集まっていました。さらに約5億円という多額の税金が、秋篠宮家の体制のために使われることで逆風を強めないための措置だったと思われても仕方ありません」(前出・皇室ジャーナリスト)
宮内庁に、この整備工事と新たに建てられる事務棟について尋ねると、次のような回答があった。
「お代替わりに伴って大幅に増員となった皇嗣職職員のうち秋篠宮邸と分室に入りきらない職員の事務スペース並びに秋篠宮付及び皇嗣職に関連する書類をまとめて収容するスペースなどが必要であるため整備するものです」
仮に当初予定通り佳子さまが秋篠宮邸に引っ越しをされていたら、宮内庁が言う「入りきらない職員」は発生したのだろうか。
「佳子内親王殿下が分室に引き続きお住まいになっておられることにより整備が必要になったものではありません」
宮内庁はそうも回答したが、いずれにしろ、浅慮だったと言わざるを得ないだろう。