人数制限のない天皇誕生日一般参賀は4年ぶり(時事通信フォト)
あらぬ声を危惧されて
皇室関係者は、「被災地に寄り添いたいというお気持ちがいちばんでしょう」と前置きしたうえで、私的な外出自粛の要因を分析する。
「昨年、美智子さまに対する苛烈なバッシングがインターネット上で野放しになっているという状況が指摘されました。内容は“上皇后は皇后よりも目立たれようとしている”というまったく根拠のないものですが、美智子さまはそうした声があることを気にされて、両陛下の被災地訪問までは外出を控えられているのではないでしょうか」
別の宮内庁関係者が続ける。
「今年の新年の挨拶に関しても、美智子さまのご判断で、愛子さまを含むほかの皇族方にはご招待の案内があったものの、両陛下にだけは、差し上げなかったといいます。元日の両陛下のスケジュールは儀式をはじめとして、とにかく忙しい。美智子さまはその重みをご存じですから、雅子さまのご体調を気遣われたのでしょう。
また、“多忙な両陛下を上皇ご夫妻はいつまでお呼び立てされるのか”といったあらぬ声が流布される可能性も危惧されたのかもしれません」
ただ、皇室という極めて特殊な環境下ということを差し置いても、美智子さまのご招待が自分たちにはなかったことに対して、雅子さまは複雑なお気持ちではないだろうか。
「一般的に、新年に子が親に挨拶に行くのは当たり前のことです。皇后と上皇后というお立場上仕方ないとはいえ、雅子さまとしては、美智子さまに挨拶をされたい思いもあったでしょう。まして新年一般参賀が中止になり、直接お会いすることがかなわなかったわけですから、雅子さまは、天皇誕生日の機会にこそ挨拶をしなければと決意されたのではないでしょうか」(前出・別の宮内庁関係者)
同じ「お祝い」でも、新年祝賀の儀は国事行為とされているが、天皇誕生日はそうではない。
「陛下が主役の天皇誕生日に上皇ご夫妻側がご招待を出されるとは考えにくいので、両陛下側から挨拶されたい旨を申し入れられたのではないでしょうか。上皇ご夫妻も、国事行為の日ではないから、と訪問を了承されたのでしょう」(前出・別の宮内庁関係者)
美智子さまも雅子さまも、お互いを尊重されようとするがゆえに、すれ違いが起きている状況ともいえる。
「天皇家と上皇ご夫妻との距離はそれほど近くありません。東宮家時代から連なる関係性が、コミュニケーションを難しくさせている側面もあるのではないでしょうか。ただ、美智子さまは、ご自分たちが“平成流”を貫かれたように、雅子さまにも“令和流”を貫いてほしいとお考えです。雅子さまは美智子さまに翻弄される必要はないのです」(前出・皇室関係者)
上皇さまはお話を繰り返される、美智子さまは微熱や指のしびれに悩まされるといった以前からの症状はあるものの、おふたりは大きく健康を害されることはなく、普段と変わりなくお過ごしだという。上皇ご夫妻の再びのお出ましが待ち遠しい。
※女性セブン2024年3月21日号
私的な外出を自粛されているという。(2023年8月、長野県軽井沢町)(撮影/JMPA)