国内

《初の被災地ご訪問》天皇皇后両陛下を見て育った愛子さまが受け継がれた「被災地に心を寄せ続ける」  上皇ご夫妻から続く“膝をつきながら励ます姿”

復興状況を視察されるため、石川県をご訪問(2025年5月18日、撮影/JMPA)

復興状況を視察されるため、石川県をご訪問(2025年5月18日、撮影/JMPA)

 天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが、能登半島地震の復興状況を視察するため、2025年5月18日と19日、1泊2日の日程で石川県を訪問された。被災地へ訪問されるのは今回が初めて。昨年9月に能登へ訪問される予定だったが、大雨の影響で中止となった。

 18日、北陸新幹線で金沢駅に到着され、石川県の馳浩知事らの出迎えを受けた愛子さま。石川県庁で復興状況について聞いた後、午後2時半すぎに能登半島地震で震度6強を観測した七尾市の「七尾市和倉温泉お祭り会館」に到着された。

能登半島地震で震度6強を観測した七尾市をご訪問(2025年5月18日、撮影/JMPA)

能登半島地震で震度6強を観測した七尾市をご訪問(2025年5月18日、撮影/JMPA)

 七尾市の茶谷義隆市長から震災の復興状況について報告を受けた後、約80人が入居する仮設住宅「万行第2団地」に足を運ばれた。集会所では、高齢者が椅子に座りながら体を動かす健康体操を視察された。

 愛子さまは運動を終えた参加者に笑顔で声をかけられた際、膝をついた。目線の高さを合わせるため、膝をついて被災者と話をされるスタイルは、上皇上皇后両陛下が皇太子時代から始めたもの。1986年11月、三原山の噴火で伊豆大島から東京都千代田区の体育館に避難した住民を励まされる際に膝を曲げ、目線を合わせていた。

 1993年、北海道南西沖地震で被害を受けた奥尻島を訪問された際、避難所で膝をつく姿がテレビで放送されると、奥尻町役場に批判の電話が相次いだが、その後も“平成流スタイル”を続けられた上皇ご夫妻。天皇皇后両陛下も、“平成流スタイル”を受け継ぎ、避難所などで被災者を励まされる際、膝をついている。

 2022年3月、愛子さまがご成年を迎えられ、初めての記者会見に挑まれた際、皇室の一員としてのあり方について以下のようにお気持ちを明かされている。

《私は幼い頃から、天皇皇后両陛下や上皇上皇后両陛下を始め、皇室の皆様が、国民に寄り添われる姿や、真摯に御公務に取り組まれるお姿を拝見しながら育ちました。そのような中で、上皇陛下が折に触れておっしゃっていて、天皇陛下にも受け継がれている、皇室は、国民の幸福を常に願い、国民と苦楽を共にしながら務めを果たす、ということが基本であり、最も大切にすべき精神であると、私は認識しております。

「国民と苦楽を共にする」ということの一つには、皇室の皆様の御活動を拝見しておりますと、「被災地に心を寄せ続ける」ということであるように思われます。》(宮内庁HPに掲載「愛子内親王殿下ご成年をお迎えになっての記者会見」より)

 集会所では「どうぞお体を大切に。一日も早く平穏な日常が戻りますことをお祈りしています」と、いたわった愛子さま。「膝をついて励ます」だけではなく、「被災地に心を寄せ続ける」というお気持ちも、孫の愛子さまに受け継がれていた。

参加者に声をかけられた愛子さま(2025年5月18日、撮影/JMPA)

参加者に声をかけられた愛子さま(2025年5月18日、撮影/JMPA)

目線の高さを合わせるため、膝をついて励まされた(2025年5月18日、撮影/JMPA)

目線の高さを合わせるため、膝をついて励まされた(2025年5月18日、撮影/JMPA)

七尾市の仮設住宅「万行第2団地」の集会所をご訪問(2025年5月18日、撮影/JMPA)

七尾市の仮設住宅「万行第2団地」の集会所をご訪問(2025年5月18日、撮影/JMPA)

 午後5時半頃に、「七尾市和倉温泉お祭り会館」を再び訪れた愛子さま。温泉旅館の復興プランや祭りの再興に向けた取り組みについて説明を受けられ、毎年5月上旬に行われる祭り「青柏祭」で使用される、高さ12メートル、重さは20トンある「でか山」という巨大な山車をご覧になった。

「でか山」という巨大な山車をご覧になった(2025年5月18日、撮影/JMPA)

「でか山」という巨大な山車をご覧になった(2025年5月18日、撮影/JMPA)

 日本赤十字社の嘱託職員として青少年・ボランティア課に勤務されている愛子さまは、その後、金沢大学のボランティアサークルの学生らと懇談され、「どういう仕組みがあればボランティアがしやすくなると思いますか」など質問された。

金沢大学のボランティアサークルの学生らと懇談された(2025年5月18日、撮影/JMPA)

金沢大学のボランティアサークルの学生らと懇談された(2025年5月18日、撮影/JMPA)

関連記事

トピックス

2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗「アラフォーでも美ボディ」スタートさせていた“第2の人生”…最中で起きた波紋
NEWSポストセブン
音楽業界の頂点に君臨し続けるマドンナ(Instagramより)
〈やっと60代に見えたよ〉マドンナ(67)の“驚愕の激変”にファンが思わず安堵… 賛否を呼んだ“還暦越えの透け透けドレス”からの変化
NEWSポストセブン
石破茂・首相の退陣を求めているのは誰か(時事通信フォト)
自民党内で広がる“石破おろし”の陰で暗躍する旧安倍派4人衆 大臣手形をバラ撒いて多数派工作、次期政権の“入閣リスト”も流れる事態に
週刊ポスト
1999年、夏の甲子園に出場した芸人・とにかく明るい安村(公式HPより)
【私と甲子園】1999年夏出場のとにかく明るい安村 雪が降りしきる母校のグラウンドで練習に明け暮れた日々「甲子園を目指すためだけに高校に通った」 
女性セブン
クマ外傷の専門書が出版された(画像はgetty image、右は中永氏提供)
《クマは鋭い爪と強い腕力で顔をえぐる》専門家が明かすクマ被害のあまりに壮絶な医療現場「顔面中央部を上唇にかけて剥ぎ取られ、鼻がとれた状態」
NEWSポストセブン
小島瑠璃子(時事通信フォト)
《亡き夫の“遺産”と向き合う》小島瑠璃子、サウナ事業を継ぎながら歩む「女性社長」「母」としての道…芸能界復帰にも“後ろ向きではない”との証言も
NEWSポストセブン
ジャーナリストの西谷格氏が新疆ウイグル自治区の様子をレポート(本人撮影)
《新疆ウイグル自治区潜入ルポ》現地の人が徹底的に避ける「強制収容所」の話題 ある女性は「夫は5年前に『学習するところ』に連れて行かれ亡くなりました」
週刊ポスト
会見で出場辞退を発表した広陵高校・堀正和校長
《海外でも”いじめスキャンダル”と波紋》広陵高校「説明会で質問なし」に見え隠れする「進路問題」 ”監督の思し召し”が進学先まで左右する強豪校の実態「有力大学の推薦枠は完全な椅子取りゲーム」 
NEWSポストセブン
起訴に関する言及を拒否した大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、ハワイ高級リゾート開発を巡って訴えられる 通訳の次は代理人…サポートするはずの人物による“裏切りの連鎖” 
女性セブン
スキンヘッドで裸芸を得意とした井手らっきょさん
《僕、今は1人です》熊本移住7年の井手らっきょ(65)、長年連れ添った年上妻との離婚を告白「このまま何かあったら…」就寝時に不安になることも
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
《広陵高校、暴力問題で甲子園出場辞退》高校野球でのトラブル報告は「年間1000件以上」でも高野連は“あくまで受け身” 処分に消極的な体質が招いた最悪の結果 
女性セブン
広陵野球部・中井哲之監督
【広陵野球部・被害生徒の父親が告発】「その言葉に耐えられず自主退学を決めました」中井監督から投げかけられた“最もショックな言葉” 高校側は「事実であるとは把握しておりません」と回答
週刊ポスト