スポーツ

プロ野球始球式と大人の事情 大物女優もノーギャラで投げる

 野球の試合開始前に行う始球式は、単なる儀式というより立派なパフォーマンスショーとなった。始球式を巡るアレコレについて、フリーライターの神田憲行氏が語る。

 * * *
 ネット動画の「あの○○ちゃんが驚愕のノーバン始球式!」というリンクをクリックして、ダイレクトに捕手にボールを投げてマウンドでぴょんぴょん跳ねている女性タレントの映像に気まずい思いをしたことがあるのは、私だけではあるまい。ダイレクト投球の「ノーバン(ノーバウンドの意)」をパンツ履いてない「ノーパン」に空目したわけですね。

 パンツを履かない始球式はいまだかつて登場していないが(たぶん)、たんなる儀式を越えて、いまや始球式は試合前のエンターテイメントとして定着した観がある。最近でもタレントの柳沢慎吾さんの「ひとり甲子園」というネタ始球式が話題になったし、7月には金田正一さんが投げて長嶋茂雄さんがバッターボックスに入った始球式は翌日のスポーツ紙の一面トップにもなった。

 なぜこんなに話題になる始球式が多いのか。パリーグのある球団の元営業マンはこういう。

「話題になるというより、話題になりそうな人を呼んでるからです。始球式はいまやプロ野球の試合のキラーコンテンツ的な存在で、映画やドラマのプロモーションによく活用されます」

 たとえば映画の封切りや新作ドラマの開始に合わせて、主演クラスの女優・女性タレントにそれなりにセクシーな格好で始球式をさせる。絵になるので翌日のスポーツ新聞やスポーツニュースに取り上げられたり、ネット動画で閲覧される確率が高い。球団も映画・ドラマの制作側も認知度が上がって両方バンザイ、というわけである。これはらはバーターということで球団は出演料を払うことなく、映画・ドラマ側も宣伝費を払うことがない。

 複数の球団関係者に「記憶に残る始球式」を訊ねると、

「吉木りさの半ケツ始球式は良かった(笑)。ロッテの選手がもうニヤニヤしてて」
「秋田での壇密のスクール水着始球式。ヤクルトさんなんですが、いつも始球式のセンスがいい」
「古い話ですが、磯山さやかさんのミニスカ始球式。しかも投手でなく捕手をやったんですよ。元野球部マネージャーでむっちりグラビアアイドルですから、野球ファンにはたまらんかったです」

 韓国でもセクシー始球式は盛んで、新体操選手のアクロバチック投法や最近でも生足・半ケツ始球式が話題になった。というか私は欠かさず見ています。

 逆に仕込みにエッジが効き過ぎて、客席がポカーンとしたことも。

「松居一代が来たときは例の自分が作ったナントカ棒振り回してわけわからんことに」
「吉田類さんが登場したときは、お客さんが『誰やこのオッサン』みたいな雰囲気になってしまって……」

 たしかに「酒場放浪記」のファンはナイターの時間は飲んでいるかもしれない。

関連記事

トピックス

カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン