井沢:敵を褒めるのはイヤなのですが、中韓は実にたくみに歴史を利用している。日本人は、中韓と違って歴史認識に対して無頓着すぎるんです。本来なら歴史は強い武器になるはず。日本は正しい歴史をはっきりと主張すべきなんです。中国や韓国は歴史を捏造してまで利用しているわけですから。
歴史問題を出し続ける中国に対し、これまで日本はなんの主張もせずに謝り続けるばかりでした。村山富市元首相や河野洋平元衆議院議長のような“お人好し政治家”は中国のいいなりに巨額のODAなどの援助を続けました。日本の支援で余裕を持てた中国は、軍備を増強できたわけです。
櫻井:敵ながらあっぱれと思う点は一党独裁であるために一度決めた政策をぶれずに継続することです。中国は「力の無いうちは国際社会で目立たずに力を蓄える」という「韜光養晦(とうこうようかい)」を続けてきました。
しかし2009年、中国は自国の軍事・経済発展に自信を持ち内向きのオバマ政権誕生で自らを縛る「韜光養晦」を解き、強硬姿勢に転じました。その後、2013年にはオバマ大統領は「アメリカは世界の警察官ではない」と演説、内向き姿勢を強めています。
井沢:オバマ政権もなめられたものですね。
櫻井:ただし歴史を都合良くねじ曲げて他国を侵略する虚飾の「大国」が、国際社会で支持を得ることは難しい。
※SAPIO2015年9月号