芸能

NHK『あさが来た』は「役者を楽しむ朝ドラ」になる予感あり

 今回の朝ドラの出来はどうか。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏の現時点での答えは「期待できる」というものだった。

 * * *
 NHK連続テレビ小説『あさが来た』が、いよいよスタート。第1週目の平均視聴率は20.3%と、まずまずの好発進とか。前作の『まれ』は、正直に言って、毎朝見続けることが辛かった。脚本も演出も役者も、ほころびばかりが目に入ってきてしまい、ほとほと困った。それだけに、後に続く作品は何を見てもほっとしてしまう。そんな「皮肉な」アドバンテージも、無くはない。

 とはいえ、『あさが来た』が持つ独自の魅力もじわりと伝わってくる。これから半年間、どんな風にその魅力を見せ続けてくれるだろうか? 途中で低空飛行に陥ることなく、視聴者を引っ張り続けてくれるか? この作品が期待できるドラマである理由を3つ、あげてみたい。

●理由その1 主役の安定感と輝き 

 ヒロイン・あさを演じている波瑠は24歳。若い女性特有のキラキラした瞳、活気、透明感がある。でも、面白さはそれだけではない。一人の人間の中に、いくつもの異なる要素が潜んでいそうなのだ。

 どこか腰を据えたような骨太さ、強さといったものを感じる。同時に、自分を突き放して見ているような、クールさも。もしそうだとすれば、長丁場のドラマでは利点になるに違いない。役者にとって、「多面体である」ことは、才能そのものだから。

 実は、波瑠は過去に『あまちゃん』『純と愛』など3回朝ドラのオーディションを受けて、落ち続けた人らしい。しかし芸能界入りは中学1年生。キャリアは長く、脇役やちょい役での出演作品も多い。いわゆる下積み時代に辛酸をなめてきたからなのか? 「自分なんてなんぼのもの」という、こだわりを軽やかに捨てる姿勢を身に付けたのかもしれない。

 何と言っても、彼女のプロフィールが面白すぎる。趣味は「風呂」、座右の銘は「一視同仁」。若者らしくない(?)そうした不思議な一面も、このドラマにおいてはプラスに作用するはず。なにせ主役・あさのモデルとなった実在の人物「広岡浅子」は、一筋縄ではいかない女傑だから。

 大阪有数の両替商に嫁ぎ、激動の時代に稀有な女性実業家となり炭坑事業で成功、日本初の女子大学設立、生命保険会社を起業という破天荒な人。そんなオンナの生き様を演じるには、相当な力量が必要。多面的な感性と幅を持つ波瑠に、思い切り暴れてほしい。

関連記事

トピックス

女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
中川翔子インスタグラム@shoko55mmtsより。4月に行われた「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート2025」には10周年を皆勤賞で参加し、ラプンツェルの『自由への扉』など歌った。
【速報・中川翔子が独立&妊娠発表】 “レベル40”のバースデーライブ直前で発表となった理由
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
〈一緒に働いている男性スタッフは彼氏?〉下北沢の古着店社長・あいりさん(20)が明かした『ザ・ノンフィクション』の“困った反響”《SNSのルックス売りは「なんか嫌」》
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
「仕事から帰ると家が空っぽに…」大木凡人さんが明かした13歳年下妻との“熟年離婚、部屋に残されていた1通の“手紙”
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
《“美女すぎる”でバズった下北沢の女子大生社長(20)》「お金、好きです」上京1年目で両親から借金して起業『ザ・ノンフィクション』に出演して「印象悪いよ」と言われたワケ
NEWSポストセブン
奈良公園で盗撮したのではないかと問題視されている写真(左)と、盗撮トラブルで“写真撮影禁止”を決断したある有名神社(左・SNSより、右・公式SNSより)
《観光地で相次ぐ“盗撮”問題》奈良・シカの次は大阪・今宮戎神社 “福娘盗撮トラブル”に苦渋の「敷地内で人物の撮影一切禁止」を決断 神社側は「ご奉仕行為の妨げとなる」
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
《“手術中に亡くなるかも”から10年》79歳になった大木凡人さん 映画にも悪役で出演「求められるのは嬉しいこと」芸歴50年超の現役司会者の現在
NEWSポストセブン
花の井役を演じる小芝風花(NHKホームページより)
“清純派女優”小芝風花が大河『べらぼう』で“妖艶な遊女”役を好演 中国在住の実父に「異国まで届く評判」聞いた
NEWSポストセブン
第一子を出産した真美子さんと大谷
《デコピンと「ゆったり服」でお出かけ》真美子さん、大谷翔平が明かした「病院通い」に心配の声も…出産直前に見られていた「ポルシェで元気そうな外出」
NEWSポストセブン
2000年代からテレビや雑誌の辛口ファッションチェックで広く知られるようになったドン小西さん
《今夏の再婚を告白》デザイナー・ドン小西さんが選んだお相手は元妻「今年70になります」「やっぱり中身だなあ」
NEWSポストセブン