琴奨菊に限らず、「日本出身力士」の今後の活躍も期待はできそうにない。

 稀勢の里はまだ優勝経験がなく初場所も9勝止まり。モンゴル3横綱との昨年1年の対戦成績は4勝9敗と大きく負け越している。同じ大関・豪栄道は今回4勝11敗と大負けして3月場所はカド番。2014年9月場所で大関に昇進してから一度も2桁勝利がない。

 小結に上がった勢は5勝10敗。大関昇進が期待される栃煌山も負け越し、期待の遠藤は来場所も全休なら幕下陥落の恐れさえある。

「近年の日本人力士はスカウティングの段階から失敗している。身体能力の優れた子供は他のスポーツに取られてしまい、新弟子検査の受検者は減少して増える気配がない。稼げるスポーツは他にたくさんありますからね。反対にモンゴル人にとっては、日本の相撲はまだまだ稼げる夢のスポーツ。モンゴル全盛時代はしばらく続くでしょう」(角界関係者)

 日本人横綱どころか、日本人の優勝は、今後また10年を待たなければならないかもしれない。

「今回の琴奨菊の優勝が話題になって、相撲に興味を持つ人が出てきたらうれしいな。日本人でも、コツコツやれば優勝できると思う親御さんもいるかもしれないからね」

 大島親方(元関脇・旭天鵬)の言葉は、そら怖ろしい響きにも聞こえてきた。

※週刊ポスト2016年2月12日号

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