2009年、第81回米アカデミー賞で、現代映画では日本映画史上初めてとなる外国語映画賞を受賞した『おくりびと』。同年の日本アカデミー賞で本木は、最優秀主演男優賞を受賞した。その授賞式で司会を務めていたのが樹木。
「うちには“おくりびと”がいるので、安心して去れます」と、娘婿を祝福した。しかしそれから3年後、本木は樹木と暮らす自宅から出て、イギリスへ渡り、今に至る。いったいなぜなのか?
「次男は、本木さん夫妻にとって10年ぶりの子供ということもあって、内田家にとって素晴らしい出来事となりました。もう家族全員で大喜び。それで本木さんと也哉子さんは、“家族は一緒に生活するべき”ということを改めて考えたそうなんです」(前出・映画関係者)
本木自身がその思いを、雑誌のインタビューでこう語っている。
《僕も兄弟がいる中で育っているので、揉まれていくのがいいかなと。兄弟がいる安心感もきちんと育んであげたいので、なんとなく兄弟を切り離せない》
一方で本木は、樹木の、子供への接し方を尊敬している。
「お正月にお子さんが樹木さんからもらったお年玉のポチ袋が、樹木さんが箸の袋を再利用したもので、子供にリサイクルの意味を伝えられたこともあったようですし、子供も一人の人間なので、周りの大人の判断を押しつけちゃいけないとか、学ぶべきことがたくさんあると話していたことがあります。
樹木さんは“今は親が子供に過干渉すぎる”という考えですから、祖母の立場で本木さんたちにあれこれいうこともありませんし、そこは彼らの子育てを信頼しています。ですから自分の最期うんぬんで、孫に影響を与えたくないという思いが強かったんでしょう。ロンドン移住については、互いに話し合って、納得して決めたことだったそうです」(樹木の知人)
盆や正月、学校の長期休暇には、家族みんなが顔を合わせる。次男は内田が大好きで、会えば駆け寄って抱きつく。この時ばかりは内田もサングラスを外し、ロックンロールとは程遠いデレデレ状態。目は頬にまでいきそうなほどタレ下がり、優しいおじいさんになるという。
※女性セブン2016年3月17日号