芸能

役者として重宝される平岩紙の「顔」 人気ドラマ、CMに抜擢

人気ドラマやCMで注目の平岩紙(公式HPより)

『とと姉ちゃん』(NHK)や『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』(TBS系)に出演中の女優・平岩紙(36)の評判が、このところうなぎのぼりだ。平岩といえば、P&Gの「ファブリーズ」のCMでもお馴染みだが、これまで数多くの作品に出演してきた彼女がここに来て注目されるようになったのはなぜか。

 ドラマ評論家の成馬零一さんはこう解説する。

「平岩さんはずっとサブカル寄りの道を歩んできて、コメディーや暗いドラマで印象に残る役者さんでした。それが年齢を重ねて母親ができるようになったことで、朝ドラのように“メジャーのど真ん中”の作品にもよく出るようになりました。

 平岩さん自身は昔とそんなに変わっていません。ただ、ファブリーズのCM出演によってイメージが一気に明るくなったということはいえます。もしあのCMがなくても、ドラマ視聴者に『あ、またこの人出てる』くらいに認知はされていたでしょうが、世間に広く認知されるようになったという意味で、やはりあのCMの影響は大きかったと思います」(成馬零一さん・以下「」内同)

 ファブリーズの「熱血家族シリーズ」のCMには、松岡修造(48)らとともに2012年から共演している。CM上の設定とはいえ、あの松岡を一言で黙らせる妻はインパクト大。何度も目にするCMだけに、平岩のメジャー化をアシストした最も大きな要因であることは間違いなさそうだ。

 また、平岩が所属する劇団「大人計画」そのものが、時間をかけてじっくりと評価を上げていったことも大きいと成馬さんは話す。大人計画には、主宰の松尾スズキ(53)ほか、クドカンこと宮藤官九郎(45)、阿部サダヲ(46)などそうそうたるメンバーが名を連ねる。

「大人計画はもともとマニア受けする集団でしたが、主要メンバーが揃ってメジャー化していきました。宮藤さんがNHKの朝ドラの脚本を書くというのも、昔なら考えられなかったことです。

 大人計画全体が売れたのは、敏腕なマネジャーがいるからともいわれますが、端っこにいても目立つ味のある役者さんたちが、ドラマなどでしっかりと脇を固めてきたからだといえます。主演級の役者さんは浮き沈みが激しいことに悩まされますが、何番手かの脇役として出ている役者さんは、安定してずっと脇でやれるというのが強みです」

 平岩も中心人物にはなりにくいが、一回出てきただけでも印象に残る役者だ。それは演技力があるからともいえるが、あの個性的な容姿にも秘密が隠されていそうだ。彼女のビジュアルに関しては、これまでにも「美人なのか、ブスなのか」という論争がたびたび起こっていた。

「『木更津キャッツアイ』が放送されていた当時(2002年)も、10代20代の視聴者から『見ようによっちゃカワイイ』、『あの微妙さがいい』などと言われていました。大人計画の他の役者さんにもいえることですが、平岩さんも『普通だけど印象のいい顔の人』だと思います。女優さんとして魅力は必要ですが、魅力がありすぎると惨めな役ができません。美男美女では話が成立しない時に、こういう生々しい顔は重宝されます」

 今後はどのような女優になるか。阿部サダヲなどは、ドラマや映画の主演にも抜擢されるようになったが…?

「中年女性を主役に据えたドラマの企画自体が少ないので、『どうしても平岩さんを使った企画をやりたい』という人が現れない限り、今の路線を変わらずに進むでしょう。中心にいなくても、派手な役者さんの脇を固めていくくらいの距離感がちょうどいいと思います」

 “メジャーな脇役”としての今後の活躍に期待したい。

関連記事

トピックス

4月12日の夜・広島県府中町の水分峡森林公園で殺害された里見誠さん(Xより)
《未成年強盗殺人》殺害された “ポルシェ愛好家の52歳エリート証券マン”と“出頭した18歳女”の接点とは「(事件)当日まで都内にいた」「“重要な約束”があったとしか思えない」
NEWSポストセブン
「最近、嬉しかったのが女性のファンの方が増えたことです」
渡邊渚さんが明かす初写真集『水平線』海外ロケの舞台裏「タイトルはこれからの未来への希望を込めてつけました」
NEWSポストセブン
「父としての自覚」が芽生え始めた小室さん
「よろしかったらお名刺を…!」“1億円新居”ローン返済中の小室圭さん、晩餐会で精力的に振る舞った理由【眞子さんに見せるパパの背中】
NEWSポストセブン
多忙なスケジュールのブラジル公式訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《体育会系の佳子さま》体調優れず予定取り止めも…ブラジル過酷日程を完遂した体力づくり「小中高とフィギュアスケート」「赤坂御用地でジョギング」
NEWSポストセブン
吉田鋼太郎と夫婦役を演じている浅田美代子(『あんぱん』公式HPより)
『あんぱん』くらばあ役を好演の浅田美代子、ドラマ『照子と瑠衣』W主演の風吹ジュン&夏木マリ…“カッコよくてかわいいおばあちゃん”の魅力
女性セブン
麻薬密売容疑でマグダレナ・サドロ被告(30)が逮捕された(「ラブ・アイランド」HPより)
ドバイ拠点・麻薬カルテルの美しすぎるブレイン“バービー”に有罪判決、総額103億円のコカイン密売事件「マトリックス作戦」の攻防《英国史上最大の麻薬事件》
NEWSポストセブン
宗教学者の島田裕巳氏(本人提供)
宗教学者・島田裕巳氏が皇位継承問題に提言「愛子天皇を“中継ぎ”として悠仁さまにつなぐ柔軟な考えも必要だ」国民の関心が高まる効果も
週刊ポスト
広島県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年6月、広島県。撮影/JMPA)
皇后雅子さま、広島ご訪問で見せたグレーのセットアップ 31年前の装いと共通する「祈りの品格」 
NEWSポストセブン
無期限の活動休止を発表した国分太一(50)。地元でもショックの声が──
《地元にも波紋》「デビュー前はそこの公園で不良仲間とよくだべってたよ」国分太一の知られざる “ヤンチャなTOKIO前夜” 同級生も落胆「アイツだけは不祥事起こさないと…」 【無期限活動停止を発表】
NEWSポストセブン
出廷した水原被告(右は妻とともに住んでいたニューポートビーチの自宅)
《水原一平がついに収監》最愛の妻・Aさんが姿を消した…「両親を亡くし、家族は一平さんだけ」刑務所行きの夫を待ち受ける「囚人同士の性的嫌がらせ」
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一(右/時事通信フォトより)
《あだ名はジャニーズの風紀委員》無期限活動休止・国分太一の“イジリ系素顔”「しっかりしている分、怒ると“ネチネチ系”で…」 “セクハラに該当”との情報も
NEWSポストセブン
夫・井上康生の不倫報道から2年(左・HPより)
《柔道・井上康生の黒帯バスローブ不倫報道から2年》妻・東原亜希の選択した沈黙の「返し技」、夫は国際柔道連盟の新理事に就任の大出世
NEWSポストセブン