裕福なご家庭に育ったお嬢さまではあるが、お兄様を戦争で亡くされたのを始め、戦前、戦中、そして戦後を「職業婦人」として生き抜いてこられた湯川さんのご苦労は、いくら才能と美貌を持ち合わせていらしたとはいえ、筆舌に尽くしがたいこともおありだったろう。

 しかし、湯川さんの傍らには常に「音楽」があった。湯川さんは挨拶状の中で「音楽業界もさまざまに変化しておりますが、此の世から音楽がなくなる事だけはないと信じております。これからも、好きな時に好きな人と好きな音楽が楽しめる日本であり、世界でありますようにと、心から念じております」と綴っている。

 実は湯川さんは、平和活動や動物愛護運動にもかかわっていらっしゃる。パーティー会場には「音楽を愛して、音楽に愛されて」という一文が掲げられていた。

 6月15日には湯川さんが作詞した楽曲から厳選した邦楽曲を集めた「作詞コレクション」と、かかわりのある有名洋楽曲を集めた「洋楽セレクション」なるCDが2作同時発売された。

 さらには、似顔絵の表紙でおなじみだった『ぴあ』から、湯川さんがエルビス・プレスリー、ビートルズ、マイケル・ジャクソンらに囲まれた「ぴあSpecial Issue 湯川れい子80th記念BOOK」が25日に発売される。

 くしくも、昼と夜、懐かしい顔ぶれが大集合し、日ごろ顔を合わすことがなくなっていた芸能界・音楽界・マスコミの重鎮が大集合した日。歌手は「スター」と呼ばれ、文字通り星のように輝き、彼らを支えた各界の関係者らもまた日々、キラキラした時を過ごしていた。

 音楽番組は激減し、CDが売れなくなって久しいし、応援する立場にある紙媒体も衰退の一途を辿っている昨今だが、不思議と、「昔は良かった」と懐かしんだり、「もう2度と、あんな日はやってこない」というネガティブな発言だったりが聞かれなかったのである。

 私が話をさせていただいたレコード会社や芸能プロダクションの若き社長たちは、「なんか、おもしろいことをやりたい」「会社の垣根を超えて、新しいことにチャレンジしたい」と意欲を燃やしていた。

 そんなことの一つと言えるのだろうか。7月6日、東京・中野サンプラザで行われる『コロムビアうたまつり2016』は、歌手の細川たかしが主導して、冠二郎、新沼謙治、五月みどり、初代コロムビアローズら、往年の人気歌手が集結。会場には「コロムビア堂」なる物販スペースが設けられ、そこの目玉というのが、美空ひばりさんと島倉千代子さんの曲が一枚のレコードにおさまった唯一のシングル。『つばなの小径』(ひばりさん)と『白い小ゆびの唄』(島倉さん)で、それが復刻CDとして1000枚、限定発売されるという。

 恐らく、湯川れい子さんのパーティー会場内のあちらこちらでは、新たな企画や挑戦を企てる会話がされていたハズだ。神様に導かれたように昼と夜、集まった音楽関係、芸能関係、そしてマスコミ関係者が、6月17日を「同窓会」で終わらせないことを期待。微力ながら私もお手伝いしたい。

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