当時、巨人の内野守備コーチだった篠塚和典氏は、「昔はなかなかゲーム差が縮まらなかったけど、最近は5連敗したり6連勝する時代。だから何が起こっても不思議はない」と話す。
とはいえ、メークドラマには絶対条件があるという。
「1996年は、大差がついてしまってからも長嶋さんが“勝負は最後まで分からない”“8月になれば一波乱ある、9月には一山ある”とチームを鼓舞し続けた。選手もそれに感化されて、目の前の試合を1つずつ一生懸命戦っていくうちに、相手が勝手につまずいてくれた。長嶋さんの信念が現実を引き寄せた」
20年前との大きな違いは「監督の覇気」。窮地でも絶対勝つと信じて疑わないミスターと、いつもベンチでドンヨリしている高橋由伸監督では、ナインの士気もまるで変わってくる。
巨人ファンのタレント、ヨネスケ氏はエールを送る。
「高橋監督は長嶋さんと同じ千葉県出身でしょ。きっと長嶋さんと同じ熱い血が流れていますよ。何かのきっかけで勝ち始めれば、チームの雰囲気はガラリと変わる。メークドラマはきっと起こりますよ!」
7月の直接対決は、20年前の因縁を断ち切るのか、それとも……。
※週刊ポスト2016年7月15日号