芸能

「女の敵」キャラで輝く伊藤歩 企みを感じさせる表現力

ベビーシッター役を好演している伊藤歩(所属事務所HPより)

 松嶋菜々子(42才)が主演で話題の『営業部長 吉良奈津子』(フジテレビ系)。松嶋にとって3年ぶりの連続ドラマ主演。保育園に息子を通わせながら広告代理店に復職したヒロインの仕事と子育てを両立させていく奮闘ぶりを描く。このドラマで注目を集めているのがベビーシッター役の伊藤歩(いとうあゆみ・36才)だ。異彩を放つ伊藤の演技について、テレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
『営業部長 吉良奈津子』(フジテレビ系)に伊藤歩さんがヒロインの敵役(かたきやく)として登場すると知ったとき、「待ってました!」と思った人は多いのではないでしょうか。

 今回の役は、有能なベビーシッターとして吉良奈津子(松嶋菜々子)の信頼を得る一方、その裏で夫・小山浩太郎(原田泰造)を誘惑するという、まさに「女の敵」キャラ。吉良が息子のために作った料理を自作のオムライスに入れ替えて食べさせ、吉良の料理をホームレスに渡すシーンは衝撃を呼びました。

 このシーンを見て思い出したのは、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系)でのエキセントリックな演技。伊藤さんは同作で、笹本紗和(上戸彩)と不倫関係に陥る北野裕一郎(斎藤工)の年上妻・乃里子を演じていましたが、妊娠していると嘘をついたり、自殺未遂したりなど大暴れ。本来、不倫するヒロインのほうが悪いのに、「乃里子が嫌な女すぎる」と紗和を応援する声がほとんどでした。

 伊藤さんは、『結婚しない』(フジテレビ系)でも、ヒロイン・田中千春(菅野美穂)と工藤純平(玉木宏)の恋路を邪魔する「女の敵」キャラを演じていましたが、これら3作はすべてフジテレビの木曜22時枠。大人女性をメインターゲットにしたドラマ枠の隠れた主役となっていることが分かります。

 そもそも伊藤さんが、世に知られるきっかけとなった映画『リリィ・シュシュのすべて』で演じたのも、男子には好かれる反面、女子から嫌われる美少女の役でした。「女の敵」キャラを演じるときの伊藤さんは、「優しく穏やかな笑顔の裏で罠を仕掛ける」のがうまい“企み”の女優に変身。伊藤さんが画面に現れただけで、視聴者は「何か良くないことが起こりそう……」と感じ、サスペンス色が色濃くなります。

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン