「あんな加工に意味はない。関係者なら誰がしゃべったかすぐわかる。それでも100%の物証がなければとぼけて認めないのが名古屋(弘道会)のやり口。反対に相手を詰めるときは、ビデオや録音など、言い逃れのできない証拠を突きつけてくる。たとえはめられたとしても言い逃れできない。このやり方に反発したのが、分裂した側の心情。またか、という思い」
もっとも焦ったのは、テレビ業界の面々かもしれない。というのも警視庁筋が「六代目(司忍組長)がインタビューに応じた」と吹聴したため、キー局の社会部記者たちが「抜かれた」と右往左往していたのだ。
「最初はTBSの同日午後6時のニュースと伝わってきた。パイプを駆使して探りを入れてもわからず、番組が始まってからもずっとチェックしていた」(フジテレビ関係者)
六代目のインタビューは、山口組報道で最もテレビが欲しがる当事者取材である。某局は200万円近いギャラを提示したという噂も流れる。インタビューが実現したとしても、六代目山口組がギャラを受け取るはずがなく、応じるとすれば他のメリットがある場合に限られる。テレビ関係者はヤクザたちの行動原理をもう少し学んだほうがいい。
※週刊ポスト2016年9月30日号