国内

なぜ赤旗では「巨人軍」「夫人」という言葉がタブーなのか

一風変わった共産党の「言語世界」を検証

 共産党の機関紙である「しんぶん赤旗」は、日刊紙約20万部、日曜版100万部の発行部数を誇り、売り上げは約194億円もある。

 赤旗の特殊性が顕著に表れるのが「用語」だ。一般紙で当たり前に使われている言葉が使われていなかったり、見慣れない表現が使われていたりする。

 先月、終戦記念日の前後に一般紙の紙面に頻繁に登場した「慰霊碑」という言葉は赤旗では使わない。広島の平和記念公園にある「原爆死没者慰霊碑」(正式名称・広島平和都市記念碑)は「原爆碑」「原爆記念碑」と書く。

 しんぶん赤旗校閲部の河邑哲也氏が上梓した『「赤旗」は、言葉をどう練り上げているか』によれば、《そもそも「霊魂」が浮遊するというのは神道特有の概念》だからということらしい。宗教に対して否定的であり、国家神道への警戒心もある共産党の機関紙らしい理由だ。同様に「慰霊」も「追悼」などに言い換えられる。

 先の大戦への苦い記憶はどの新聞よりも強く持っているようだ。スポーツ記事でも戦争用語は御法度だ。

 たとえば「軍」は使わない。「巨人軍」は「巨人」または「ジャイアンツ」と表現される。ただし、他紙でも「巨人軍」は使用頻度が低い。「赤ヘル軍団」もNG。「弾丸ライナー」も「するどいライナー」などに言い換える。サッカーなどでは「敵陣」と書かず「相手陣地内」と書く。

 赤旗を手にとって真っ先に目に付くのが「です・ます」調の文体だ。初めて「です・ます」調にしたのは1962年5月1日付の「主張」から。1965年の元日付からスポーツ面を除いて原則「です・ます」に移行した。《「アカハタの文章は堅い」という読者の声をうけて》(前掲書より)採用したという。

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