そんな大谷の来季の年俸について、「4億円でも安いんと違いますか?」というのは阪神タイガース元球団社長の野崎勝義氏だ。
「球団としてはうれしい悲鳴でしょう。観客動員数のみならず球団のイメージも大幅に良くなった。ここまでの注目選手となると、球団も最大限の評価をしていることをアピールしたくなるでしょう。私なら大幅に上げる。『投手・大谷』に2億円、『打者・大谷』に2億円と考えれば、4億円が高いとは思わない」
確かに、今季の大谷の年俸を単純に「投手で1億円」「打者で1億円」と考えると、相当な割安感がある。
1億円超えプレーヤーだらけの巨人で見ると、先発投手で年俸1億円の大竹寛(33)は6勝6敗、防御率3.55という有り様。チーム最高年俸4億円の内海哲也(34)は9勝(6敗、同3.94)をあげたものの、開幕二軍スタートで広島独走を許した“戦犯”である。
「ソフトバンクとの天王山(9月21日)を8回1失点で勝った大谷とは比べ物にならない」(担当記者)のは当然だ。投手・大谷を「2億円でも安い」とする野崎氏の評価には説得力がある。
打者・大谷についても同様で、巨人の打者のホームラン数を見ると年俸3億円の村田修一(35)、ギャレット(35)がそれぞれ25本と24本。23本の坂本勇人(27)は2億5000万円で、3億2600万円の阿部慎之助(37)は12本しか打てなかった。「ホームラン22本の打者・大谷」が、1億円では安すぎるという相場観もうなずける。
撮影■山崎力夫
※週刊ポスト2016年10月28日号