週刊誌グラビア界では「往年の有名女優の懐かし映像」や「有名アイドルの復活水着」が人気コンテンツだが、テレビ局ではかつてのアイドルアナたちの再登板が花盛り。
各局で相次ぐ4月改編番組の発表で注目されたのが、元フジテレビのエース女子アナ・高島彩(37)をキャスターに起用したテレビ朝日の報道番組『サタデーステーション』(土曜夜9時~)だった。アヤパンにとってフジ以外の民放レギュラー出演は初めてとなる。テレビ誌記者が話す。
「古巣への恩義が強いことで知られる高島さんを一本釣りしたのには驚きました。今も“フジの朝の顔”のイメージがある彼女を、“テレ朝の夜の顔”に変えようという意気込みが感じられます」
同時にテレ朝は“兄弟番組”としてスタートする『サンデーステーション』(日曜夜21時~)のキャスターに長野智子(54)を据えた。日曜夕方の報道番組『報道ステーションSUNDAY』からゴールデン帯への“昇格”だ。
「古舘(伊知郎)さんの事務所に所属し、報ステのキャスターも務めた長野さんですが、元を辿ればフジのアイドルアナ。土日の夜の顔をフジが絶好調だった時代の看板アナが務める。当時は万年民放最下位だった我々にとっては感慨深い」(テレ朝関係者)
“熟女子アナ”になったかつての人気アナに頼る動きはライバル局でも同じ。TBSでは昨夏からキャスターを務める雨宮塔子(46)の評価が急上昇だという。
「結婚して渡仏して以来、17年ぶりの復帰だったことに加え、TBSの局アナ時代はバラエティ番組が主戦場のアイドルアナ。“報道のTBS”を支える『23』起用は大博打と言われましたが、視聴率も及第点で、見た目は華やかなのに気さくな性格なのでスタッフの関係も円滑です。前任の膳場貴子さん(41)に劣らぬ“夜のニュース向き”という評価が定着しました」(番組関係者)
夜の硬派番組に元アイドルアナたちが起用される流れはさらに強まるだろうと見るのは、テレビ批評家の吉田潮氏だ。
「テレビ局は視聴者が高齢化した時代を読んで、しっとりした色気と落ち着きのある世代の女子アナに目を付けたのでしょう。元アイドルアナの場合、ニュースが務まるのかとマイナスからスタートするので、かえって『こんなに成長していた』と株が上がりやすい。
この流れでテレビ東京の大江麻理子(38)、テレ朝の大下容子(46)、TBSの小倉弘子(42)あたりが再評価される可能性が高い。フジを退社した菊間千乃さん(44)の“弁護士でキャスター”復帰もあり得るのではないでしょうか」
「女子アナ30歳定年」なんて今は昔。夜の報道番組はアラフォーの“熟女子アナ”の時代か。
※週刊ポスト2017年2月17日号