その他にも制作サイドが工夫を凝らしたエンディングを作る、3つの狙いがあります。

 1つ目の狙いは、視聴者に作品の世界観を印象づけること。たとえば、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系、2014年)のエンディングは、ベッドシーンを想像させる過激な映像と、名曲『他人の関係』を重ねて、危うくセクシーな世界観を印象づけました。

 その他では、若手俳優がじゃれ合う姿を映した『木更津キャッツアイ』(TBS系、2002年)、夏の景色と水着の高校生が爽やかな『ウォーターボーイズ』(フジテレビ系、2003年)、原作者本人の写真と文章で涙を誘った『1リットルの涙』(フジテレビ系、2005年)。古くは、小泉今日子さんの『学園天国』に爆笑NG集をかけ合わせた『愛しあってるかい!』(フジテレビ系、1989年)、森田童子さんの哀しげな歌声が印象的な『高校教師』(TBS系、1993年)も作品の世界観を印象づけていました。今期の中では、『お母さん、娘をやめていいですか?』(NHK)のエンディングが、ウエディングドレスを着たマネキンが、ホラーのような作品の世界観を物語っています。

 面白いのは、作中の世界観が強烈な作品ほど、中和する意味合いで真逆のエンディングを用意すること。たとえば、『女王の教室』(日本テレビ系、2005年)は作中の殺伐としたムードから一転して、エンディングは天海祐希さんの楽しげなダンスが見られました。「シリアスな作品は、エンディングでホッとさせる」「病気などの暗いキャラクターは、エンディングで明るい姿を見せる」など衝撃を薄めることで「視聴者の気持ちをフォローしよう」という意図が見えます。

◆演出家の力を見せつけるご褒美の場

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン