情報番組やワイドショーで、お笑い芸人のコメンテーター起用が増えている。他にも、弁護士や医者などさまざまな立場の人たちが出演しているが、総じてもっともらしく語りながら、毒にも薬にもならず、笑いも起きない「スッカスカな話」ばかりである。
そもそも、ニュースを扱う番組で、専門家でもない人たちの“うす~い意見”を視聴者はなぜ聞かされなきゃならないのか。
〈トランプやバノンは無茶苦茶だが、SNLを始めとするレイトショーでコメディアンたちが徹底抗戦し、視聴者数もうなぎのぼりの様子に胸が熱くなる。一方、日本のお笑い芸人たちは、上下関係や空気を読んだ笑いに終止(原文ママ)し、権力者に批評の目を向けた笑いは皆無。後者が支配する地上波テレビはオワコン〉(オワコンとは「終わったコンテンツ」の略)
ツイッターでそう呟いた脳科学者の茂木健一郎氏に対し、「センスがない」(松本人志)など猛バッシングが浴びせられた。
しかし、多くの情報番組での芸人のコメントを聞けば、茂木氏の指摘に「その通り」とうなずく読者も多いのではないか。当の茂木氏はこう言う。
「松本さんとの間では、お笑いのセンスの話になりましたが、元のツイートは削除していませんし、今でも考えは変わっていません。
トランプ大統領が就任して以来、アメリカのテレビ番組では大統領令などに対してもコメディアンたちが徹底抗戦して人気を集めている。それを見て、日本と全然違うなと思ったわけです。
日本の芸人さんたちは空気を読みすぎて体制順応型になっていて、そうしないと干されると思っている。ワイドショーでも井戸端会議レベルの話に終始して、権力者から目をそらしているように見えます」