思えば、坂上忍や芸人をMCに、トークバトルを繰り広げて、「視聴率を4倍にした」(1%台→4%台)という『バイキング』は、4月以降、5%台、6%台が出る日も増えた。

 一方、70才の橋本大二郎氏と、テレビ朝日の女性アナウンサーで最高齢の大下容子アナをMCに据えている『ワイド!スクランブル』。2014年4月から1部と2部の間に『徹子の部屋』を置き、さらに『やすらぎの郷』に繋げたことは、F4以上の数字を「獲りに行く」という同局の大きな決意が感じ取れる。

 冒頭に挙げたドラマの人気シリーズで、早くからF3層、M3層の動向に着目していたテレビ朝日ならではの英断。

 そこまでターゲットを絞り切れたからこその“スポンサー”にも注目が集まっている。

 多くの人がチャンネルを合わせた初回。スポンサーの筆頭として出てきたのは「サントリーウェルネス」だった。『セサミン』『ロコモア』始め、シルバー層に人気の健康食品や、年齢肌向け化粧品『エファージュ』などがおなじみだ。

『やすらぎの郷』記念すべき1本目のCMは、その『セサミン』で、出てきたのは「永遠の若大将、加山雄三さん」。石坂浩二や浅丘ルリ子、加賀まりこら『やすらぎの郷』のメインキャストに混じって出てきそうなベテランだ。

 CMに続いて出てきたのは賀来千香子と西岡徳馬。「セサミン」のユーザーには、もともとシルバー層の著名人が多いのだが、改めて、ドンピシャなセレクトに感心してしまった。

 実は、件の石坂浩二がキャラクターをつとめる企業もスポンサーに付いている。「石坂浩二さんも御愛用」のコピーから始まるCMでおなじみの『ハズキルーペ』である。

「ルーペ」というワードでもわかるように、これは「老眼鏡」ではなく「眼鏡タイプの拡大鏡」。

 そして女優の山本陽子をキャラクターに起用している『ウィッグ ユキ』のCMも『やすらぎの郷』枠内ではおなじみだ。

 思えば、『やすらぎの郷』には、野際陽子や風吹ジュンら、ウィッグのCMに出演している女優が出ているが、山本をキャラクターに据えた『〜ユキ』は、見たところ、F4層以上をターゲットにしているような…。

 山本は、野際や風吹よりも“和装”のイメージが強いことでも、そのターゲットがわかろうというものだ。

『やすらぎの郷』脚本の倉本聰氏は、当初、『北の国から』で縁のあるフジテレビに企画をもっていったのだが、「けんもほろろ」な対応に落胆し、テレビ朝日に行きついたと聞いている。果たしてF3マーケットを知り尽くしたテレビ朝日は『やすらぎの郷』と倉本氏を大歓迎したに違いない。

 CMタイムでも視聴者を前のめりにさせる『やすらぎの郷』。営業的にも大成功なのである

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン