スポーツ

傘切断、更衣室に批判投書 宮里藍が受けた先輩からのいじめ

引退会見も各方面から賛辞

「何に対してもプロでありたい。見た目の爽やかさも大事だし、好感度も一流であって、英語もしゃべれて。どれをとっても一流であるように、ゴルフだけに偏らずそういうプロになりたいです」

 史上初の女子高生プロゴルファーが誕生したのは14年前。以来、ずっと女子プロゴルフ界を牽引し続けてきた。人気も実力も、そして振る舞いもこんな女性アスリートは彼女をおいていない。宮里藍(31才)の突然の引退発表に世間は騒然となった。

「休養でいいのでは」「ゴルフってもっと年配の人もいるのに」「なにがあったの?」などさまざまな憶測も飛び交った。しかし彼女は驚くほど晴れやかな笑顔で現れた。

「モチベーションの維持ができなくなったというのがいちばんの理由です」。5月29日の記者会見で、宮里が今年いっぱいでの引退を表明した。

 父・宮里優さん(71才)の指導の下、4才でゴルフを始めた宮里。東北高3年在学中の2003年9月、当時史上最年少の18才でプロの大会で優勝。アマチュアとしては30年ぶりの快挙だった。

 日本中で“藍ちゃんブーム”が巻き起こり、女子ゴルフ界は一気に盛り上がった。

「今でこそ、イ・ボミやアン・シネなど韓国選手がツアーを盛り上げていますが、もし宮里がいなかったら、今の日本の女子ゴルフはなかった」(ゴルフ関係者)

 天才少女と呼ばれたジュニア時代は妬みから学校でいじめを受けた。父に「学校に行きたくない」と打ち明ける手紙を書いたこともある。

 鳴り物入りでプロ入りすると、より厳しい洗礼が待ち受けていた。19才にして獲得賞金ランキング1位。以前は3~4%程度だった女子ゴルフ中継の視聴率は、宮里が出場すると常に2桁に。人気、実力とも秀でた存在になった彼女に先輩プロたちは容赦なかった。

「宮里のゴルフ用の傘の骨が1本1本切断されていたり、“ゴルフウエアでヘソ出しルックはいかがなものか”という投書が更衣室に貼られていたり。試合終了後もカメラが回っていないと、宮里が握手しようとしても気づかないふりをして拒否する選手までいました。居づらさもあったでしょうけど、絶対に表情に見せなかった。でも、渡米のいいきっかけになったと思います」(ゴルフ誌記者)

 2006年から拠点を米・ロサンゼルスに移し、米国のツアーに本格参戦。長いスランプに苦しみながらも、2009年にエビアン・マスターズで初優勝。翌2010年には5勝を挙げ、日本人として初めて世界ランキング1位の座についた。その陰には恋人の存在があったという。

関連記事

トピックス

本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
2021年ドラ1右腕・森木大智
《悔しいし、情けないし…》高卒4年目で戦力外通告の元阪神ドラ1右腕 育成降格でかけられた「藤川球児監督からの言葉」とは
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
注目される次のキャリア(写真/共同通信社)
田久保真紀・伊東市長、次なるキャリアはまさかの「国政進出」か…メガソーラー反対の“広告塔”になる可能性
週刊ポスト
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
この笑顔はいつまで続くのか(左から吉村洋文氏、高市早苗・首相、藤田文武氏)
自民・維新連立の時限爆弾となる「橋下徹氏の鶴の一声」 高市首相とは過去に確執、維新党内では「橋下氏の影響下から独立すべき」との意見も
週刊ポスト
新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン