すごく憶えているのは、その際の野際さんのファッションである。かつて、「アパート(有名人が多数住んでいたことでも有名な「川口アパート」)の中で私がいちばん、ひどい恰好をしている」「よその奥さまたちが、ごみを捨てにいらっしゃるときにもオシャレをなさっていてビックリした」などと話されていたので、衣装ではない、野際さんの普段着に興味津々だった私。

 だが、シャツの襟を立て、膝下丈のタイトスカートにハイヒール、カーディガンを羽織り、エルメスのガーデンパーティーを抱えて会議室に入っていらした野際さんは、デキる番組プロデューサー役を演じていらっしゃるかのようにオシャレで本当にカッコよかったのである。

 バッグが、ケリーやバーキンよりも、たくさん入り、カジュアル寄りのガーデンパーティーだというのには意味があった。野際さんは女優さんなのに、ペンケースやノート、資料などを同バッグに入れ、会議に出てくださったのだ。

 もちろん、積極的に意見をおっしゃり、ときには冷静に、そして鋭く内情を分析。シャープでありながら、しかし、チャーミングでもあり、ウイットにも富んでいる、これぞ知性派と言えるのが野際さんだった。

 収録時には、楽屋に大きな大きな加湿器を持ち込み、常に喉や声を大切にされていたし、バラエティー番組とは思えないような差し入れをしてくださったり、スタッフ全員を馴染みの中華料理店に連れて行ってくださったことも。

 さらには、逗子の御自宅にスタッフや共演者を招き、バーベキューパーティーを開いてくださったこともあった。

 お庭には、野際さんが大事に育てていらっしゃる季節の植物が咲き茂り、小さな木札に名前が記されていた。

 地元の方との関係がすこぶる良好だとわかったのは、ご近所の方やタクシーのドライバーさんの我々への反応だ。まるで、野際さんの御親戚が訪ねてきたかのように、声をかけてくださったり、笑顔で挨拶をしてくださった。

『旅の香り』と言えば、私は忘れられないことがある。それは、03年、中井美穂が「腹膜炎ということで、腸が破れる病気」(本人談)になったときのことだ。

関連記事

トピックス

バスツアーを完遂したイボニー・ブルー(インスタグラムより)
《新入生をターゲットに…》「60人くらいと寝た」金髪美人インフルエンサー(26)、イギリスの大学めぐるバスツアーの海外進出に意欲
NEWSポストセブン
横山剣氏(左)と作曲家・村井邦彦氏のスペシャル対談
《スペシャル対談・横山剣×村井邦彦》「荒井由実との出会い」「名盤『ひこうき雲』で起きた奇跡的な偶然」…現代日本音楽史のVIPが明かす至極のエピソード
週刊ポスト
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
小林夢果、川崎春花、阿部未悠
トリプルボギー不倫騒動のシード権争いに明暗 シーズン終盤で阿部未悠のみが圏内、川崎春花と小林夢果に残された希望は“一発逆転優勝”
週刊ポスト
ハワイ島の高級住宅開発を巡る訴訟で提訴された大谷翔平(時事通信フォト)
《テレビをつけたら大谷翔平》年間150億円…高騰し続ける大谷のCMスポンサー料、国内外で狙われる「真美子さんCM出演」の現実度
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
「弟の死体で引きつけて…」祖母・母・弟をクロスボウで撃ち殺した野津英滉被告(28)、母親の遺体をリビングに引きずった「残忍すぎる理由」【公判詳報】
NEWSポストセブン
焼酎とウイスキーはロックかストレートのみで飲むスタイル
《松本の不動産王として悠々自適》「銃弾5発を浴びて生還」テコンドー協会“最強のボス”金原昇氏が語る壮絶半生と知られざる教育者の素顔
NEWSポストセブン
沖縄県那覇市の「未成年バー」で
《震える手に泳ぐ視線…未成年衝撃画像》ゾンビタバコ、大麻、コカインが蔓延する「未成年バー」の実態とは 少年は「あれはヤバい。吸ったら終わり」と証言
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン