◆嘘をつかないと幸せに近づける
本書には「2人の共通の価値観」となった千石氏の聖書解釈も幾つか紹介されている。
〈男の人生において最高に意義あることは、女を愛することにあるんです〉〈政治にしろ事業にしろそのほかもろもろのことに、人生をかける値打ちがあると思われているのなら、本末が転倒してる〉
「例えば出勤前に夫婦喧嘩をしたら、奥さんを1人で悶々とさせるんじゃなく、きちんと向き合って問題を解決してから会社に行くとかね。そういうことが僕も昔はできなかったんですよ。
男と女が情や欲を超えて愛し合い、互いを受容して一体となるのが聖書のいう結婚で、それができないなら結婚なんかやめなはれと千石さんなら言うだろうし、そういうマトモなことを、今だからマトモに言いたい気持ちもあるんですね。
愛されたい者同士でも結婚はうまくいかない。愛する者と愛される者がいれば愛は成立するのでしょう。千石さんは〈女は男を愛せない〉〈男はカマキリのようにメスに食べられてしまうのが理想なんです〉とも言っていて、そうか、神藏は僕を愛せないんだと思ったら、かえって楽になれたくらいです(笑い)」
〈結婚の意味は「変わる」ことにある〉と末井氏は書く。〈人は一人で生まれてきて、一人で生きて、一人で死んでいく〉〈でもその孤独を乗り越えられる方法があったのです。それが「友のために自分の命を捨てること」で、それを実践しやすいのが結婚の場だと〉