「広いシアタールームに10人くらいの女子が集まって、ケーキを食べながら恋愛映画を鑑賞するんです。『あそこがよかった』『ここが素敵ね』と言い合うのがすごく楽しかった。のんべえ住民が集まって“日本酒の会”もやりました(笑い)。世代の違う住人とコミュニケーションをとる機会もたくさんあって、『世界はこんなに広かったんだ』と実感できました」(大竹さん)
その後、別のシェアハウスに引っ越した大竹さんだが、当時の仲間とは今も一緒に旅行する仲だという。シェアハウスには、「人がいる安心感」があると大竹さんは指摘する。
「『テラスハウス』のように毎日パーティーするわけではないけれど、適度な距離感があって自分の生活を大切にできる。その一方で、ひとりで暮らすのではなく、住人と『おはよう』『おかえり』とやり取りするだけで安心できます」
それまでの生活を断ち切るため、シェアハウスに入居する女性もいる。鈴木昭子さん(仮名・51才)は、夫との冷え切った関係を清算し、離婚する第一歩としてシェアハウスを選んだ。
「夫から逃げるようにして住み始めた私にとって、身一つで住めて、敷金礼金がないことが単純にありがたかった。ひとりになりたい、と飛び出してきたけれど、人間って本能的にひとりで暮らすようにはできていないのかな、とシェア生活を経て思うようにもなりました。最初は“仮の宿”と思っていたシェアハウス生活も今年で4年を迎えます」
女性クリエーターが作る人気ウェブサイト『箱庭』が運営する女性専用シェアハウス『箱庭の住めるアトリエ』(東京・杉並区)は、住人が相互に刺激し合うことで新しいビジネスやクリエーティブを生み出すことを目的としている。『セカオワハウス』同様、クリエーターたちもシェアハウスに注目しているのだ。
充実した設備のもと、共に暮らす仲間ができ、ひとりの時間も持てるうえ、クリエーティブな発想も広がるというわけだ。
※女性セブン2017年10月5日号