国際情報

中国国境で武器を密輸する“朝鮮幇”の縄張りを歩いた

中国の「河口断橋」からとらえた北朝鮮

 北朝鮮の相次ぐミサイル発射で、国連安全保障理事会はこれまでで最も厳しい対北制裁決議を採択した。だが、その効果は極めて低い。なぜならば、中国の朝鮮族を中心にした秘密結社組織「朝鮮幇(パン=マフィア)」が暗躍、北朝鮮と密貿易を繰り返しているのだ。ジャーナリストの相馬勝氏が中朝国境の遼寧省丹東に飛び、中国と北朝鮮を結ぶ地下経済の実態を取材した。

 * * *
 中国の丹東市中心部から北朝鮮との国境となっている鴨緑江に沿って、車で1時間ほど河を遡ると、右手に小さな集落を形成する「河口景区」との大きな看板が見えてくる。1950年10月、共産革命を成し遂げた共産党の元老で、中国人民解放軍最高幹部の一人、彭徳懐元帥に率いられた中国人民志願軍が同年6月に勃発した朝鮮戦争に参戦。ここに架けられていた橋を渡って北朝鮮領に一歩を踏み出した記念すべき地だ。

 朝鮮戦争で戦死した毛沢東の長男、毛岸英も一兵卒として、彭徳懐に従って、他の兵士と渡河している。これを記念して、河沿いの遊覧船乗り場前広場には、軍服姿の岸英の銅像が建てられていた。

 橋は当時の米軍による空襲で、河の真ん中から北朝鮮寄りの部分が爆撃、破壊され、いまは3基の橋脚が無残な姿をさらしており、橋の機能は果たしていない。が、中国側の部分は現存し、河の中央部分まで400mほど歩いて渡ることができる。橋の両側には当時の志願軍の軍旗が20本以上もかけられ、川面を流れる風にたなびいていた。

 この橋は日本統治時代に建設されており、日本名は「清城大橋」だったが、いまは正式な名前はなく、「河口断橋」と呼ばれている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン