「放駒親方は現役時代、一切八百長に手を染めなかった“変人”で、『クリーン大関』の異名を取った人です。“大関互助会”にも関わらず、1975年に大関から陥落した後は、一度、平幕まで落ちて2年後に大関に返り咲くという離れ業をやってのけた唯一の力士。野球賭博や八百長の発覚で揺れた協会がなんとか立ち直れたのは、ガチンコ相撲の放駒理事長がトップにいたからです。1期限りで勇退し、理事長経験者の“天下り指定席”である相撲博物館館長の就任も固辞した。

 そんな放駒親方の一番弟子であるガチンコ横綱・大乃国こそ、窮地の協会のトップに相応しいはず」

 横綱・大乃国は師匠に倣ってガチンコを貫き、「星の貸し借りがないから、『横綱として15日間皆勤して負け越す』という史上初の不名誉な記録(1989年9月場所)を持つ一方、千代の富士の53連勝を止めたこともある。すべて“ガチンコの勲章”だ」(ベテラン記者)とされている。

 引退後は、甘い物好きの「スイーツ親方」として著書刊行やテレビ出演を重ねたことで“スー女(女性相撲ファン)人気”も高く、国技館内では若い女性ファンからサインを求められる姿がよく見受けられる。期待の声があがるのはよくわかる。

 今回、執行部に反旗を翻した貴乃花親方も、現役時代は孤高のガチンコを貫いた横綱だ。では、角界を二分した対立が雪解けに向かうのかというと、そうともいえないようだ。

「むしろ芝田山親方を担ぐのは八角体制執行部側ですよ」と明かすのは別の協会関係者だ。

「一方的に貴乃花親方を理事から解任したという批判をかわすには、八角理事長が勇退して責任を取った形にするのが一番いい。八角理事長には相談役や最高顧問といった新設ポストを用意して『院政』を敷き、貴乃花派を締め出していくわけです。このプランを仕掛けているのは内外に幅広い人脈を持つ現体制ナンバー2の尾車事業部長(元大関・琴風、60)だとされている。ガチンコの貴乃花親方を封殺するために、執行部側もガチンコの芝田山親方を立てれば改革色が打ち出せて争点も曖昧になる。八角・尾車連合にとっては、うってつけの『神輿』だ」

 準備は着々と進んでいる。

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