「皆さんも疑問に思われたことがありませんか。主権在民を謳うこの国では、まず国民が選挙で国会議員を選び、その下に内閣総理大臣が任命した各行政府の大臣や最高裁の長官がいる。つまり力関係的には(1)国民、(2)立法、(3)行政、(4)司法の順。でもなぜか下へ行くほど試験が難しくなるんです。

 私がもう一つ気になるのは、戦後日本では民主主義といいつつ、企業のトップは今も世襲で決まることがある。世襲というのは中世の専制政治に近い。搾取しか頭にない暴君に心身が壊れるまでサービス残業をさせられるブラック企業の社員には、民主主義なんて実感できないでしょう。

 つまり日本では民主主義を体感できている国民も、民主主義を正確に理解している人も少ない。せめて国民が今みたいに議員をバカにしないためにも、議員にテストを受けさせるのはどうだろうと思ったんです」

 都内の有名私立大に学び、商社勤務を経て病身の父親の地盤を継いだ優太郎は、女性誌にも取り上げられるほど顔も育ちもいい独身の33歳。かたや地方の国立大出身で出世の限界が見えた橋本は、東大出身かどうかで将来が決まる世の中に不満を抱く44歳と、両者の造形は水と油ほどに対照的だ。

 その橋本が、高校の友人で人気番組「TVバスター」のディレクター〈須藤〉に持ちかけたのが、今話題の議員を集め、ある政治学者考案の検定試験を抜き打ちで行なう特番企画だった。

 解答者は先に既婚女子アナとの不倫を報じられた優太郎や、優太郎と同期のお調子者〈内田修造〉、号泣会見で話題の元県議らで、合格点は50問中35点。内田や号泣県議が意外にも健闘する中、優太郎だけが落第点を取り、ネットでは〈バカに国民の代表は務まらねー〉等々、非難囂々だ。

 結果、二股疑惑まで報じられた優太郎は議員辞職に追い込まれる。一方晴れて補選を制した橋本はテスト法の立案に動き出すが、二人の命運はその後も紆余曲折、そのうちまるで同じ匂いまでしてくるから面白い。

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