芸能

山田孝之と菅田将暉の『dele』 シリーズ化に最適の理由

玄人筋の評価は高かった(番組公式HPより)

 人気ドラマの「続編」はファンの間でも議論になるところである。固定客が見込まれる一方で、物語の展開には向き不向きもある。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
 ドラマ好きが今注目するCMといえば、「ハズキルーペ」(メガネ型の拡大鏡)がダントツではないでしょうか?

 第1子を産んだばかりの武井咲さんが、『黒革の手帖』を彷彿とさせる美しい訪問着姿で登場。お客様に笑顔のおもてなし。ケレン味、プロ的笑い、作り込まれたキャラの極北──1年前の夏に好評を博したドラマ『黒革の手帖』の、クラブママ・原口元子を思い出させてくれます。商品の存在が薄まってしまうほどのインパクトです。

 そう、あのドラマでお嬢様女優を脱皮し新境地を開拓した武井さん。表と裏、善と悪。一筋縄ではいかない欲望渦巻く現世を渡っていくタフな銀座の女を演じ、キラキラと輝いていました。

 しかし評判をとった直後に結婚出産、女優業をお休み。もしも本格的に芸能界へ復帰するのならばぜひ、武井版『黒革の手帖』の続編を望みたい。オリジナル脚本で続きを見てみたい。そう思わせてくれるCMです。

 おそらく、ドラマには「続編に向いている作品」と、「そうでもない作品」があるのだろうと思います。「向いている作品」の条件を考えてみると──。

1. 物語の屋台骨(『黒革の手帖』なら銀座のクラブ)が揺らがない

2. 新しい参入者が絶えず出てきても、自然に映る(例えば店にやって来る客)

3. 主軸となる人物像が明快で、キャラクターがきっちり定まっている(武井咲演じる原口元子)

 一方、幕を閉じたばかりの今クールのドラマでは、どうでしょうか?

 シリーズ化が期待される筆頭といえば、やはり『dele(ディーリー)』(テレビ朝日系)。たった8話で終わってしまったとはとても信じられない、信じたくない。持続可能性を感じる物語構造でした。

 その筋立ては──依頼を受け死後に不都合なデジタル記録を内密に抹消するという、独特な仕事を請け負う坂上圭司と真柴祐太郎。演じるのは山田孝之×菅田将暉、2人を軸に展開。芸達者なこの2人、対照的なバディぶりは実にメリハリと安定感があって、次々に依頼者の物語を解いていく骨組みもしっかりと構築されていました。

関連記事

トピックス

破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン