「お前の説教、聞きたくないよ。しょうもない。お前のどこに戦略があんねん。『これ知ってます、私はこれ知ってます』っていう話ばっかりやないか。どうやって戦うかを考えるんがこの仕事やないか。何も恐れる必要はない。間違ってたら間違ってたと言えばいい。
(中略)戦略を考えるのは俺が考える。君らが考えんでいい。一番大きな問題はあの慰霊の旅です。気がつかないのか君たちは」
そうして、冒頭の発言が飛び出した。つまり、小堀発言は富田メモから連なる、天皇と靖国の“複雑な関係”が伏線にあったのだ。
「富田メモについては靖国神社の中でも“タブー扱い”されてきた。昭和天皇、今上天皇の御親拝が途絶えている真意についても触れないできたわけです。
小堀宮司は、そうした空気の中で、トップとしての風格を見せる狙いもあってああした物言いをしたのではないか。『戦う』『戦略』といった言葉からは、どんな事情が背景にあるにせよ、とにかく天皇の御親拝を実現させたいという強い意思を感じます。しかし、それが実現しないことの不満となれば、天皇陛下への批判となってしまう。靖国神社が抱えるジレンマが、ついに噴出してしまったということでしょう」(前出・靖国神社関係者)
◆「皇太子さまは輪をかけてくる」
発言の主である小堀宮司とは、どんな人物なのか。