「ちょっと年上だなとは思ったのですが……、マスコミの人らしく話題が豊富で、面白くて、知的で、年齢以外は、パーフェクト。だからこそ、私にはハードルが高いかなと思っていたのですが、天文学が好きとか、語学が好きとか、趣味が合って、彼から誘ってくれたのです」
陽二さんもまた、仕事が落ち着き、そろそろ家庭を持ちたいと考えていた頃だった。タイミングが合ったのだ。とはいえ、何より麻衣子さんを満足させたのは、陽二さんは仕事を頑張っている女性が好き、という点だったという。
「自分がやってきたことは間違ってなかった、これからも、自分が描いた人生が送れそうだなと、色々と報われたような気持ちになりました」
◆浮気が発覚「オレのタイプじゃなくなった」
30歳での、結婚を前提とした、パーフェクトな出会いが、なぜ破局したのか。
「付き合って1年くらいたって、そろそろ(結婚)したいなと思っていた頃、彼が部署を代わり、仕事が忙しくなって、会う頻度が減ったのです。私たち、住んでいる場所が、ちょっと遠かったんですよね。それもあってか、実は付き合い始めた頃、同棲しようかといわれたのですが、断ったんです。私は、結婚するまでは一緒に住みたくなかったので。ただ、会う頻度が減っても、私は彼のことを全く疑っていなくて、近々結婚はするんだから、今は仕事を頑張って! 私も頑張るからね、と、おめでたく思っていました」
そんな時期のある日、会いたくなって彼の家に突然行ったら、女の人が出てくるのを見てしまって……」
問い詰めたら、陽二さんはあっさり白状した。少し前に飲み会で出会った子がタイプだったから、お持ち帰りしてしまった、以来、たまに会っていると。
「愕然としました。こんな人だったのかと。でもまあ、彼のことは好きだったし、一時的な気の迷いなのだろうと。必死に謝ってくれれば許そうと思ったのですが……」
次の瞬間、陽二さんが発した言葉を聞いて、耳を疑った。
「麻衣ちゃん、なんか、オレのタイプじゃなくなったんだよね、と言われたんです」