ひとつ違う点があるとすれば、それは「脱ぐ」ことだ。松平健吉宗も、弓を射るときなど片肌脱ぐことはしばしばあったが、山本吉宗は、上半身バッチリ脱いでにっこりと4K対応している。
思えば山本耕史は、2012年、時代劇『薄桜記』に主演。これはかつて昭和の映画スター市川雷蔵が主演した作品だ。昨年には田村正和が主演して注目された『鳴門秘帖』にも主演している。そして今回『暴れん坊将軍』の徳川吉宗。時代劇の名キャラクターを継承しているようにもみえる。それはかつて北大路欣也が『銭形平次』、『子連れ狼』、『大岡越前』など、名作を引き継いできた流れとよく似ている。
同じ人物を演じた先輩俳優をリスペクトしつつ、新しい魅力を打ち出すのは簡単じゃない。それに挑む男気も時代劇の伝統だ。私は勝手に続編アリとにらんでいる。頑張れ、ニュー新さん!