ネット上では、嵐にとってあまり厳しい質問が出なかったことも指摘されている。タレント自身は、批評のない状況をどう考えているのだろうか。
かつて田原俊彦が、主演ドラマ『教師びんびん物語II』(フジテレビ系)の最終回が『月9』初の視聴率30%超えを達成し、主題歌『ごめんよ涙』もオリコン1位に輝くなどノリに乗っていた1989年当時、こう語っていたという。
〈なかなか言ってくれないんだよね、悪いことっていうのは。だれも悪者になりたくないからさ。聞く耳持たずに我を通しちゃうような人だとなおさらだよね、まわりにとってスターっていうのは怖い存在だから〉(『PLAYBOY』1989年8月号)
嵐の櫻井翔も、会見翌日の『news zero』(日本テレビ系)で「(無責任じゃないかという指摘もあるという)あのご質問をいただいたおかげで、結果としてきちんと我々の思いの丈が温度を乗せて伝えることができた」と感謝を述べた。
「芸能界の頂点に立った人たちの偽らざる本音だと思います。過度に気を遣われて、当たり障りのない質問ばかりされるのは、実は最も避けたいことではないでしょうか。
私が初めて田原さんに取材した2009年、当時年に数本しかメディア出演のなかった彼に『ドラマのオファーがあると聞きますが、なぜ出ないんですか?』『テレビに出た時、なぜ感じ悪くするのですか?』『マッチを羨ましく思わないですか?』などと尋ね、一問一答に終わらせないよう、しつこく聞きました。最終的には『12年間ライブを観ているが、最近やらなくなった振り付けがある』とまで指摘しました。
ライブを毎年観に行ったり、過去の資料を読み込んだりした結果、こちらが本気で向かっていけば、本気で返してくれる人だと確信していたからです。これらの質問に、田原さんはとても真摯に答えてくれました」