国内

新元号発表に「権力者は安易に元号にかかわるべきではない」

改元に向けて野心をのぞかせる安倍首相(時事通信フォト)

 日本の元号の歴史は、約1300年前にさかのぼる。『日本書紀』によれば、最初の元号は645年の「大化」。飛鳥時代の孝徳天皇の即位に際して設けられ、遠く平成の御代になっても、その名は小学校の歴史の授業で学ぶ「大化の改新」と共に、多くの人に記憶されている。

「大化」から「平成」まで、247の元号があった。元号は原則として「一世一元」。つまり、天皇1人の治世につき1つの元号というのがルールだ。しかし、約200年ぶりの譲位に伴う今回の改元の舞台裏では、その名を冠することになる「新天皇」が“ないがしろ”にされかねない事態が起きている──。

 新元号が発表される4月1日、東京都心・皇居を囲む桜はちょうど満開を迎え、お濠には桜吹雪が舞うだろう。入学式や入社式など、今年の年度初めの行事は「平成最後の」と形容され、長く人々の記憶に残るに違いない。

 新時代の名前は何になるのか──発表よりも一秒でも早く報じようと報道各社は熾烈な取材合戦を繰り広げている。

「昭和改元の際には東京日日新聞(現在の毎日新聞)が新元号を『光文』とスクープしましたが、結果的に誤報になった。今回も新聞やテレビの政治部が中心となって『元号取材班』を組んでいます。

 特に注力するのが、安倍晋三首相(64才)周辺や官邸関係者への取材です。そもそも“時代に名前をつける”という行為は、時の為政者が自身の権力を誇示するためのもの。強権的な政治姿勢をとる安倍首相も、新元号に強いこだわりを持っているとされます」(全国紙政治部記者)

 たとえば、その「出典」だ。これまでの元号はすべて中国の古典(漢籍)から選ばれてきたが、安倍首相は周辺に「出典は日本で書かれた書物(国書)がいい」と話しているという。国書とは、『古事記』や『日本書紀』などを指す。実際に菅義偉官房長官(70才)は3月25日、国文学や日本史学などの専門家に考案を委嘱したことを明らかにした。

「安倍首相は“なぜ日本の元号制定に中国の手を借りなければならないのか”という感覚だそうです。一部では、安倍首相の『安』の字を採用するという話も浮上しています」(政治ジャーナリスト)

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン