「私が本格的に担当したのは解散表明後に制作された『わな』(1977年)と『微笑がえし』(1978年)ですが、それには伏線がありました。前任者が売れっ子の作家に要請されて、3人を酒席に呼び出したことがあったのです。
彼女たちは丁重に断わったようですが、所属事務所から猛烈な抗議が寄せられ、その詫び役に引っ張り出された私が担当することになったわけです。“ファンへの感謝”をコンセプトにした『微笑がえし』はフィナーレを飾るに相応しい楽曲になったと自負しています」
【プロフィール】さかい・まさとし/1935年生まれ。日本コロムビア、CBS・ソニーを経て、現在はエグゼクティブプロデューサーとして活躍中。レコード業界初の文化庁長官表彰を受賞。
◆取材・構成/濱口英樹
※週刊ポスト2019年4月26日号