将来、清子さんが民間に嫁ぐための準備として、一般の人がどんな生活をしているのか、庶民の暮らしを伝えたと語る織田さん。それは実際、どんな話だったのだろうか。
「よくは覚えていませんが、例えば、私が一人暮らしの海外赴任をしている時、便利に活用していた、コインランドリーの話をしました。当時は会社に出勤する前に洗濯し、週末にもコインランドリーで洗濯してから、テニスクラブに通っていたものです。ところがテニスに早く行きたいのに、乾燥機の中の服がなかなか乾かない。いっそ生乾きでいいかと思ったり、腕時計を見ながらじりじりと焦ったことを話すと、その場面を想像したのか、清子さんは楽しそうに笑ってくれました」
と織田さんは当時を振り返り、清子さんは心底素直で心優しい女性だと話す。
4月18日は、両陛下にとっても、清子さんにとっても、思い出深い一日になるであろう。両陛下が歩まれた歳月をご友人として見つめてきた織田さんは、こう締め括った。
「両陛下はこれまでお忙しくて、清子さんとゆっくり会える機会も少なかったでしょうから、退位されたら、ぜひ団らんの時間を持っていただきたいと思います」