令和の慶祝ムードが続くが、新天皇への代替わりは「皇位継承権を持つ皇族が1人減った」ことを意味する。公務の担い手が減っていく問題もある。皇室典範改正論議は焦眉の急だ。
◆“愛子天皇”の誕生はあり得るのか?
今上天皇は126代目の天皇にあたる。現在の皇室典範においては皇位継承権を持つのは秋篠宮、悠仁親王、常陸宮の3人。天皇の子供世代で言うと、悠仁親王のみだ。そこで女性宮家とともに議論の俎上に載っているのは、皇位継承権の範囲を女性皇族にまで広げるというものだ。
振り返ると、1969年に清子内親王(黒田清子さん)が生まれてから、2001年の愛子内親王まで、皇室には9人連続で女子が誕生した。男子が生まれない状況にあって、2004年に当時の小泉純一郎首相が諮問機関を立ち上げ、「“女性・女系天皇”を認め、皇位継承順位は男女を問わず第一子を優先とする」という方針が出された。これに沿うと、天皇陛下の次に即位するのは、愛子内親王ということになる。『皇室典範と女性宮家』などの著書がある京都産業大学名誉教授の所功氏が語る。
「皇室典範では“男系の男子”に限定している原則を守りながら、皇統の危機的な状況を直視すれば特例として、歴史上に8人10代の実例がある男系女子の女性天皇(一代限り)も容認しておく必要があります」