1984年の原は4番復帰までに17試合を要したが、2019年の岡本は4番から降格以降、3戦連続マルチヒットを記録。原監督は「もうビッグベイビーとは言えなくなったね」(スポーツ報知・2019年6月7日付)と話し、7日のロッテ戦で4試合ぶりに4番に復帰させる。この日、岡本は2安打で、翌日はロッテの抑え・益田から本塁打を放つなど、最近6試合で23打数9安打、3割9分1厘、2本塁打、5打点と絶好調だ(記録は6月9日現在)。
原辰徳は引退試合で『聖域』と表現した巨人の4番の苦しみも、喜びも知っている。当時と今を単純には比較できないが、重責を担った者にしかわからないことがある。
原監督は4番を任された岡本の心情を慮ることで、復調の手助けをした。誰よりも重圧を知る原辰徳との二人三脚で、岡本和真は不動の4番に成長するはずだ。
●文/岡野誠:ライター・プロ野球選手名鑑研究家。著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)では、歪んで伝えられがちな記憶ではなく、膨大な資料という“記録”を元に『ビッグ発言報道の移り変わり』『マイケル・ジャクソンのムーンウォークを日本のテレビで初めて試みたのは田原俊彦』などをあらゆる角度から検証し、丹念に証明している。