国内

年金返せデモ騒動 集団行動OK派と嫌悪派による考えの差も

デモ行進で「年金払え」などと訴える人たち(時事通信フォト)

デモ行進で「年金払え」などと訴える人たち(時事通信フォト)

 堀江貴文氏が、「年金返せデモ」への否定的な感情をツイッターで表明し、その後デモに対する嫌悪感について出演したテレビ番組でも言及した。一連のつぶやきへの反発は大きく、ちょっとした炎上騒動に発展した。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、なぜこの対立が騒動へと発展したのかについて考えた。

 * * *
 堀江貴文氏が「年金返せデモ」についてツイッターでディスった(批判した)ところ、デモ参加者やリベラル派から批判が多数寄せられた。デモ隊は「老後は2000万円必要」問題について、「年金返せ」と政権批判をしたが、堀江氏は、デモ参加者を「暇人」「税金泥棒」扱い。堀江氏としては、年金政策について今の政権に文句を言っても仕方がないし、個々人がガッツリ稼ぐことが国の安定に繋がる、と言いたかったのだろう。共感も多かったが、人でなし扱いもされた。

 その後、「デモ原理主義者まじうぜー。政治家でも利権屋でもない一個人の俺が年金デモ気持ち悪いって言ってるだけなのに、そんな気になるんかいな」ともツイート。さらに『サンデージャポン』(TBS系)では「僕はデモを大体ディスるんですよ」「こいつらバカだ、みたいなことを言い続けてきて」「(デモの)映像見て、気持ち悪い。メッセージとか参加している人達の太鼓叩いているやつとか、超イヤだ」とも発言した。

 私も概ね同じ考えである。ただし、香港の200万人とも呼ばれる参加者のデモには同意する。理由は、香港の自由な生活を脅かす恐れがある「逃亡犯条例」を適用されるのは自分が香港人だったとしたらイヤだし、結果的に数の力で「棚上げ」に追い込むことに成功した。だからあのデモは意味のあるデモだと思う。一方、「年金返せデモ」は「2000万円必要」は以前から分かっていたことだし、「今が政権叩きのチャンス!」だから発生したように見える。ここ何年も「アベ政治を許さない」派のデモを見てきたが、今回も同じ人間が参加しているのも確認できた。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン