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許永中氏の独占告白 今明かされる「かくれんぼ生活」の実態

〈長い“かくれんぼ”が終わりを迎えたのは、1999年11月5日。東京・台場のホテルで、警視庁の捜査員が許氏と連れの女性の身柄を確保。翌日、大阪拘置所に移送された〉

 保釈逃亡には、保釈金没収以外は法的な罰則はないんです。私の場合、保釈される前の状態に戻っただけ。そこからまた裁判が始まり、懲役が確定した。イトマン事件と石橋産業事件については、言いたいことは山のようにあります。まぎれもなく無罪だったと今でも確信している。ただ、それを今さら言ったところで、私の時間は帰ってこない。

〈2005年にイトマン事件で懲役7年が確定し、以後、石橋産業事件の刑期を加えおよそ3000日を、獄中で過ごした許氏。その日々をこう振り返る〉

 何度もいいますが、罪状には絶対に納得できない。しかし、長い時間で半生を静かに振り返ったとき、自分自身の過去を見つめざるを得なくなる。悪いこともたくさんしてきたな、と素直に反省した時間でもありました。

 かねてから不動明王を信仰していたので、余暇時間は不動真言を300万回は唱えました。写経は3000枚以上書いた。あとはただひたすら読書の日々でした。司馬遼太郎先生や帚木蓬生先生の文学作品から、医学書に至るまで、数多の書物を読みました。

【イトマン事件】
 住友銀行(現・三井住友銀行)をメインバンクとする商社・イトマンで起きた特別背任事件。1980年代後半、オイルショックで経営悪化したイトマンは、それまでの繊維商社から総合商社への方向転換を図る。ここに反社会勢力と繋がりのある経営コンサルタントや不動産業者が接近。リゾート開発や地上げ、絵画取引などの名目で、巨額の資金が闇社会に流出したとされる。1991年、イトマンの経営に参加していた不動産会社経営者の伊藤寿永光氏、イトマン社長の河村良彦氏と許氏が特別背任容疑で逮捕、有罪判決を受けた。

【石橋産業事件】
 若築建設、昭和化学工業など22社の関連会社を持つ石橋産業を巡る手形詐取事件。1996年、許氏とヤメ検弁護士の田中森一氏、そして不動産会社社長らが中心となり、中堅ゼネコンの新井組と若築建設の合併話を計画。その過程で石橋産業から179億円の約束手形を詐取したとされ、2000年、許氏と田中氏が詐欺容疑で逮捕、有罪判決を受けた。この事件を巡っては、巨額の政界工作金が複数の政治家に渡ったとされた。

※週刊ポスト2019年8月16・23日号

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