しかし、八千草さんはこの『赤い疑惑』を6話を終えたところで突然の降板。百恵さんが多忙で撮影時間が取れないため、後ろ姿を“影武者”が演じるといった百恵さん最優先の撮影手法に、八千草さんが苦言を呈して降りたと伝えられていた。以後、2人は共演がなかったこともあり、“確執”があったとまで報じられもした。原田さんが真相を語る。
「事実を言うと、あれは百恵ちゃんをかばったんです。仕事が忙しすぎて、朝、バーッと百恵ちゃんのシーンだけを撮ると、グラビアや歌番組のために現場を離れて、また夜戻ってきてバーッと撮る。そんなスケジュールや撮影方法について、八千草さんは“百恵ちゃんがかわいそう”“こんなことをやっていたら、作品だけじゃなくて、百恵ちゃんがダメになる。人間って限度があるからすり減っちゃうよ”って。百恵ちゃんの体を気遣って、制作サイドとけんかになった。そうした事情を皆さんにあまり説明しなかったから、間違った情報が出回ってしまって…」(原田さん)
原田さんにとって、八千草さんは実の母親のような存在だったという。
「私はすでに母を亡くしているので、八千草さんが母親のようでした。でも八千草さんがどう思っているかはわかりません。本当の親子って、自分たちが親子がどうかなんていちいち確認しないでしょ。それと同じです」(原田さん)
原田さんによれば八千草さんの口癖は「いつも楽しく、ちょっとだけ無理をする」──その思いで天寿をまっとうされたのだろう。
※女性セブン2019年11月21日号