石川:麻田奈美がいい例ですけど、ヌード写真集は雑誌のグラビアの副産物として定着しました。そのうち撮り下ろしで独自に出版されるようになり、逆に写真集のプロモーションとして雑誌のグラビアが使われるようになりました。

元木:その傾向は1990年代に入ってヘアヌード写真集がブームになるとより顕著になりましたね。ヘアと言えば、1980年代でも写真集の中にはチラッとぐらいヘアが写っていたものもありましたよ。でも、週刊現代や週刊ポストのような一般の雑誌に載せるのは無理でした。桜田門(警視庁)に呼び出され、下手すると回収させられかねませんから。

石川:その頃僕は平凡パンチを離れ、1980年代のヌード写真集ブームを横目で見ていたんですが、編集長だったBRUTUSでヌード特集をやったら何ができるのかと思い、あえてヘアが写った写真も載せました(1985年9月15日号の「裸の絶対温度」)。

 カメラマンもモデルもヘアなんか気にせず撮っていたのを知っていましたから、そういう写真を提供してもらったんです。中には男性器がはっきり写っている写真もありましたよ。ただし、ヘアを出すための、よく言えば「切り口」、有り体に言えば「言い訳」が必要だと思い、「アート」を掲げた。発売の翌日、警視庁に呼び出され、始末書を書かされましたけれどね。

元木:女優やタレントのヌード写真集で初めてヘアが写っていたとされるのが篠山(紀信)さんが撮った1991年の樋口可南子『water fruit』で、同じ年に出た宮沢りえ『Santa Fe』が最終的に155万部という大ベストセラーになりました。

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