◆安倍首相「数十年後に議論すればいい」
「女性天皇」の議論において、その当事者である愛子さまは2019年12月のお誕生日で18才になられた。
「2020年には学習院女子高等科を卒業され、大学生となられます。将来どんな社会人になるのか、その岐路に立たれるわけです。
そうした大事な時期に、将来、天皇になるのかならないのかが決まっていないという曖昧な状況であることは、愛子さまにとって望ましいはずがありません」(前出・宮内庁関係者)
ほかの誰にも想像もつかないような境遇にありながらも、愛子さまは皇族として笑顔を絶やさず、しかも陛下のお側にいて堂々たる品格を着々と備えられていることと、ますます国民の女性天皇待望論が高まっていることは、無関係とは言えないだろう。
「もし長子優先で女性天皇を認めるように皇室典範が改正されると、皇位継承順位は、秋篠宮さま、悠仁さまを抑えて愛子さまが筆頭になられます。天皇陛下の実子である愛子さまは、そのお立場を内親王から『皇太子』へと変えることになるのです」(前出・皇室ジャーナリスト)
すべては2020年に待ち構えている本格的な政府内での議論に委ねられているわけだ。官邸関係者が明かす。
「安倍総理はたしかに、女性皇族が結婚しても皇籍に残るための『女性宮家の創設』の議論は進めるつもりです。御代がわりで国民の皇室への関心が急激に高まったので、自分の手で皇室改革の1つを成し遂げたいという気持ちがあるようです。
しかし、総理は女性・女系天皇については、議論するつもりはありません。本来、この議論は愛子さまと秋篠宮さま、悠仁さまのどなたが天皇になるかという属人的な話ではなく、あくまで制度の問題です。しかし、今の時点で議論が進めばそれは“次の天皇には愛子さまがふさわしいのか”“秋篠宮家からは天皇を出さないのか”を問うことに直結しかねない怖さがあります。
総理は、愛子さまか悠仁さまか、国論を二分するような際どい議論をするつもりはなく、“また数十年後に話し合えばいいこと”と考えているようです」
つまり、動き始めたようにみえる議論は、すでに水面下では“棚上げ”の方向性で進んでいるのだ。