◆自分の意志で自由に決めてほしい
両陛下にとってみれば、女性天皇の実現は、自分たちの娘である愛子さまを天皇にすることに直結する問題だ。ご自身が皇室に入られて大変なご苦労をされてきた雅子さまは、複雑な思いを抱かれていたことだろう。
「抜群のキャリアを備えて皇太子妃となられた雅子さまですが、特にお世継ぎ問題では筆舌に尽くしがたい苦悩を経験され、心身のバランスを崩されることがありました。
それなのに、ご自身が体験された以上に重圧がかかる天皇の位に愛子さまがつくことに、少なからず動揺もあったはずです。もちろん雅子さまは皇后のお立場として、陛下のお考えに従われ、皇統の安定的な継承を第一に考えておられることでしょう。
しかし、ひとりの母親としては、愛するわが子の結婚や仕事といった将来について、“自分の意思で自由に決めさせてあげたい”という思いをお持ちでもおかしくありません」(別の宮内庁関係者)
実は、そうした両陛下のお気持ちは、政府側にも伝わっているのではないかと見る向きがある。
「安倍首相は即位直前から天皇陛下と面会する機会を何度か持ってきました。首相はそこで、“陛下といいお話をすることができた”と満足げだったとされます。実は、そうした中で『女性天皇』についてのお考えを陛下に伺い、自分の考えに近かったので安心したのではないかといわれています。
ある程度は両陛下のご意向を感じ取った上で、それと齟齬しないと判断したからこそ、“女性・女系天皇の議論は、とりあえず封印する”という結論に達したのではないでしょうか」(政治ジャーナリスト)
雅子さまは、2019年に56才のお誕生日を迎えられた際の文書で、愛子さまについて次のように綴られた。
《これから高校を卒業しますと、今まで以上に、様々な経験を積み重ねながら視野を広げていく時期になると思いますが、これからも感謝と思いやりの気持ちを大切にしながら、いろいろな方から沢山のことを学び、心豊かに過ごしていってほしいと願っています》
愛子さまがより充実した日々を送るためにも、一日も早い決断が求められる。
※女性セブン2020年1月2・9日号