コロナと同様に世界的な感染拡大に至った2009年の新型インフルエンザ(AFP=時事通信フォト)

コロナと同様に世界的な感染拡大に至った2009年の新型インフルエンザ(AFP=時事通信フォト)

◆世界で40万人が死亡した新型インフルエンザ

 新型インフルエンザは、2009年4月24日にアメリカとメキシコで初めて確認された。ブタ由来のウイルスが人にうつり、それが、人と人の間でも感染していった。

 感染は急速に拡大していった。5月1日までに13か国で367人が感染、10人が死亡した。これが6月11日までに74か国で2万8774人の感染、144人の死亡にまで急拡大した。死亡者はメキシコとアメリカに集中していた。こうした感染拡大を受けて、世界保健機関(WHO)は、6月12日よりパンデミックに移行することを宣言したのである。

 しかし、秋以降、感染はさらに拡大し、11月から12月にピークを迎えた。そして、2010年に入ると、流行の状況は通常の季節性インフルエンザとそれほど変わらなくなっていった。そして、8月10日、WHOは世界的な大流行は終結したとして、パンデミックを解除した。

 新型インフルエンザのパンデミックは、1年2か月あまり続いたことになるが、この間の死亡者数は、感染が確認された分だけで1万8311人。ただし、新型インフルエンザは蔓延していくにつれ、季節性インフルエンザとの見分けがつかなくなっていったため、WHOは感染拡大の“初年度”だけで、(全世界で)10万人~40万人が死亡した──との推計数値しか公表していない。

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